[メイン]
GM :
夢を見よう。
優しくて残酷な夢を。
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM : あなたたちは各々の日常を過ごしている。
[メイン]
GM :
友人と買い食いをした帰り道かもしれないし、激務をこなした日の退勤途中かもしれない。
はたまた、コンビニへ行くために財布とスマートフォンだけを持って外に出たのかもしれない。
[メイン]
GM :
町中に出る理由は様々あるかもしれない。
しかし、君達はちょうど、クラスメイトとして知り合いに出会ったようだ。
[メイン]
茜(あかね) :
「…あれ?」
見知った顔を見かけて、てててっと駆け寄って
[メイン] トキ : 「むっ……その姿は茜か?」
[メイン] 茜(あかね) : 「トキさんじゃない。こんにちは」
[メイン] トキ : 「こんにちは。今日はこんなところでどうした?」
[メイン]
茜(あかね) :
「今から友人と買い物に行こうとしてたの」
「それで、トキさんを見かけたから話しかけたって感じ?」
[メイン] トキ : 「友人か……友人はいいぞ、茜。大事にするのだな」
[メイン]
茜(あかね) :
「ええ。そのつもりよ」
「そういえば、トキさんはなにをやってたの?」
[メイン]
トキ :
「おれはちょっと新しい実験の材料を調達にな」
トキの手にはドラッグストアの紙袋があった
[メイン] 茜(あかね) : 「そうなんだ。そういえば学校でも理科の授業が好きだったよね」
[メイン] トキ : 「ああ……理科はいいぞ、茜。人体について多くのことを学べる」
[メイン] トキ : 「人のことを多く学べばそれだけ人を救う機会が生まれるのだ」
[メイン]
茜(あかね) :
「へ~…トキさんって立派な考えを持ってるんだね」
「私も見習わないと…」
[メイン] トキ : 「フ……お前はまだ小さい。これからいくらでも学ぶ機会があろう」
[メイン] 茜(あかね) : 小さいって…人が気にしてることを…
[メイン]
茜(あかね) :
でも言ってることはもっともだったので
「…そうだね。うん、私も機会があったら学んでみるよ」
[メイン] トキ : 「なるほど。いい目をしている」
[メイン] 茜(あかね) : 「褒めてもなにも出ませんよ~」
[メイン] トキ : 「フフフ……それじゃあな茜。おれはそろそろ実験の続きをせねばならぬ」
[メイン] 茜(あかね) : 「うん。またね!」
[メイン] GM : そうして軽い談笑を交わしたあなた達は、それぞれお互いの日常に戻ろうとする。
[メイン] GM : しかし、そんな時。
[メイン] GM : トキに、そして茜に。
[メイン] GM : 続けざま肩がぶつかる。ドン、と強めにぶつかり、思わずよろけてしまうかもしれない。
[メイン] トキ : 「なにやつ!?」
[メイン]
茜(あかね) :
「いったぁ…。ご、ごめんなさい」
よろめきながらもぶつかった相手の方を見ようとする。
[メイン] GM : しかし、ぶつかった相手から声がかかってくることはない。
[メイン] GM : 振り返えろうと顔をそちらへと向けた時────
[メイン] GM : ぐらりと、あなた達の体が傾くような感覚を覚える。
[メイン] GM : あなた達の意識は、闇に薄れていく。
[メイン]
茜(あかね) :
「…!?」
あ、あれ?…なに…これ…
[メイン] トキ : 「え!? えひゃい」
[メイン] 茜(あかね) : その場に倒れるような感覚と、それと同時に意識が遠くなる。
[メイン] トキ : 「うわっ うわああ うわらば」
[メイン] GM : 崩れゆく意識の中、「ちょっと遊んでいきませんか?」という声だけが耳に届いた。
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM : 軽やかな音楽が遠くから聞こえてくる。
[メイン]
GM :
深いところにあった意識が少しずつ浮上していく。
[メイン] GM : あなたは目を覚まそうと思うかもしれないが、ゆらゆらと揺れているような感覚のある体がまだこうしていたいと覚醒を邪魔する。
[メイン]
GM :
ようやく心を決めて、ゆっくりと瞼を開けるとあなたはベンチに腰掛けていた。
そして辺りを見渡すとメリーゴーランドや観覧車、可愛らしく華やかなオブジェたちが目に飛び込んでくる。
[メイン]
GM :
どうやらここはよくある遊園地のようだ。
────ここが水で満たされていて、色とりどりの魚たちが泳いでいるという事以外は。
[メイン]
GM :
周囲にはサンゴや海藻が生えているのがわかり、柔らかい砂の地面は明るい海底のようだ。
[メイン]
GM :
水圧に押しつぶされる。
息が苦しい。
服が濡れる
……などといったことはなく、地上のように活動可能なようだ。
[メイン]
GM :
突如望んでもいない場所で目が覚めてしまった衝撃を少なからず受けるだろう。
正気度喪失≪0/1≫
[メイン] system : [ トキ ] SAN : 40 → 39
[メイン] system : [ トキ ] SAN : 39 → 40
[メイン] 茜(あかね) : 1D100<=55 正気度ロール (1D100<=55) > 76 > 失敗
[メイン] system : [ 茜(あかね) ] SAN : 55 → 54
[メイン] トキ : CCB<=40 (1D100<=40) > 25 > 成功
[メイン]
茜(あかね) :
「…う~ん…」
まだこの緩やかな感覚の中に浸っていたいと思いながらも、起きなきゃと言う意識もあって…意を決してゆっくりと瞼を開ける。
[メイン]
茜(あかね) :
「…遊園地?」
最初に思ったのはそれで…だけど、目の前を泳いでいく影を見て
[メイン] トキ : 「ば…ばかな!! ここはどこだ……!?」
[メイン] 茜(あかね) : 「…魚ぁ!?」
[メイン] 茜(あかね) : ついでに隣で大声を上げたトキにもびっくりして
[メイン]
トキ :
隣りを見て
「茜……お前もいたのか? ここはどこだ?」
[メイン]
茜(あかね) :
「トキさん…?ここがどこって?わ、わかんない。私が聞きたいくらいだよ」
驚いた拍子に口から大きな泡がこぽりと漏れ、上へと上がっていく。
[メイン]
茜(あかね) :
それと周囲を泳ぐ魚を見て
「そ、それより、ここって水の中!?」
[メイン]
トキ :
「何を言っている。水の中で会話ができるわけなかろう」
その口からは激しい勢いで泡が吹き出ている。
[メイン]
茜(あかね) :
「泡!泡が出てるから!」
ツッコミを入れる自分の口からもコポコポコポと小さな泡が漏れる。
[メイン]
トキ :
「そうか……ついに水中でも呼吸できる秘孔を発見したのか……流石天才のおれだ……」
何か納得を得たようだ
[メイン]
茜(あかね) :
なんか勝手に納得してる…。
「いや、待ってよ!なんで水の中にいるとか疑問に思わないの!?」
[メイン] トキ : 「そんな些細な事より、早くこの発見を記録せねば! 茜よ、一刻も早くここから出るぞ!」
[メイン] 茜(あかね) : 些細なことなの!?
[メイン]
茜(あかね) :
「…で、でも、そうよね。私は友人と買い物に行く予定だったし、待たせちゃ悪いものね」
半分現実逃避してる。
[メイン] トキ : 「うむ。ところで茜、身体に異変はないか? おれには医学の心得がある」
[メイン]
茜(あかね) :
「異変…?」
自分の身体に触れたりしながら異変を確かめる。
[メイン] 茜(あかね) : 「…水の中なのに苦しくない…?それと…なぜか服や髪が濡れてない…?」
[メイン] 茜(あかね) : いや、おかしいでしょ!?
[メイン]
トキ :
「ふむ……悪いところがないなら問題はない。ならば立て。出口を探しに行くぞ」
そう言ってベンチから立ち上がる。
[メイン]
茜(あかね) :
なんでそんなに冷静なんだろうと思いつつも
「そ、そうね!待ってる人がいるんだから早く行かなくちゃ!」
ベンチから立ち上がる。
そして考えたら頭がおかしくなりそうだから現実逃避した。
[メイン]
GM :
周囲にはテーブルが5つ、あなた達が座っていたベンチが置かれている。
また他にも園内の案内看板があるようだ。
[メイン] 茜(あかね) : GMさん、ベンチに目星は振れる?
[メイン] GM : いいよ
[メイン] 茜(あかね) : CCB<=65 目星 (1D100<=65) > 97 > 致命的失敗
[メイン] GM : 🌈
[メイン] 茜(あかね) : 🌈
[メイン] トキ : 🌈
[メイン] GM : ベンチでずっこけて額を強打します
[メイン] GM : HP-1
[メイン] トキ : 「大丈夫か、茜!?」
[メイン] system : [ 茜(あかね) ] HP : 10 → 9
[メイン]
茜(あかね) :
「いたい!?」
ベンチから立ち上がったとき、少し立ちくらみがしてベンチに頭をぶつけてしまう。
[メイン]
茜(あかね) :
「~~~!?!?!?」
表情で大丈夫かどうかを伝える。
[メイン] トキ : 「額を見せて見ろ。どれ、おれが治してやろう」
[メイン]
茜(あかね) :
「…ありがとう。お願いします」
おでこの髪の毛をかき分けて、ぶつけた部分をトキに見せる。
[メイン] トキ : 「心配するな。おれは天才だ。おれに不可能はない!!」
[メイン] トキ : CCB<=30 医学 (1D100<=30) > 61 > 失敗
[メイン] トキ : 「ん!? まちがったかな…」
[メイン]
茜(あかね) :
「…うぅ…痛い…」
おでこはまだ真っ赤なまま。
[メイン]
GM :
特段悪くなった気もしないが、特に良くなった気持ちもない。
相変わらず痛いままだった。
[メイン] 茜(あかね) : GMさん、応急手当振っていい?
[メイン] GM : いいよ
[メイン] 茜(あかね) : CCB<=60 応急手当 (1D100<=60) > 95 > 失敗
[メイン] GM : 変わらない。
[メイン]
茜(あかね) :
「…いたい」
トキさんが無理なら私でも無理だったみたいで、おでこは赤いままだ。
[メイン]
トキ :
「そこまで重いけがでもないし、大丈夫だろう」
トキは冷たかった
[メイン] トキ : というわけで代わりにベンチに目星
[メイン] トキ : CCB<=80 目星 (1D100<=80) > 87 > 失敗
[メイン] トキ : 「……うむ、普通のベンチだな」
[メイン] 茜(あかね) : 技能で失敗しちゃったから、宣言でベンチをくまなく調べることはできる?
[メイン] GM : わかった
[メイン] 茜(あかね) : うわ!ありがとう!
[メイン] GM : 自分の座っていたベンチにメモがある事に気が付く。
[メイン]
GM :
「ようこそここは楽しい遊園地。最期までお楽しみください。」
「立ち入り禁止ゾーンは危険ですので、足を踏み入れるのはご遠慮くださいね。」
「安売りはいけませんよ。よく考えるように。」
「ケガなどのないよう、気を付けてお楽しみください。」
「彼らは賢い。対価を支払えば人間の病など簡単に治すことができるよ。」
[メイン] GM : と、それぞれ書かれている5つのメモが置かれていた。
[メイン]
茜(あかね) :
「この!この!…バカ!ベンチ!」
自分のおでこを赤く腫らしたベンチに恨み言を吐きながら確認して
[メイン] 茜(あかね) : 「…あっ、メモが落ちてる」
[メイン] トキ : 「ほう」
[メイン] 茜(あかね) : それぞれのベンチからメモを拾って、トキにも見せる。
[メイン]
茜(あかね) :
>「ケガなどのないよう、気を付けてお楽しみください。」
私早速怪我してるんだけど!?
[メイン]
トキ :
「色々と怪しい情報が多いが……とりあえず立ち入り禁止ゾーンの場所を把握しておくか」
そう言って看板を見る。
[メイン] トキ : というわけで看板に目星。
[メイン] トキ : CCB<=80 目星 (1D100<=80) > 81 > 失敗
[メイン] トキ : 「水の中だからか視界が歪んで良く見えないな……」
[メイン]
茜(あかね) :
「…私も見てみるね」
水の中を泳ぐように、トキの隣に移動して看板を見る。
[メイン] 茜(あかね) : CCB<=65 目星 (1D100<=65) > 5 > 決定的成功/スペシャル
[メイン]
GM :
綺麗な看板だった。
また、隅っこの方に「施設にいる魚たちは職員です。彼らの仕事を邪魔しないであげてくださいね。」と書かれていた。
[メイン]
茜(あかね) :
「…だって」
隅っこの方の文字を読み上げて、時折視界に入る魚たちの方に視線を向ける。
[メイン] トキ : 「魚が職員……? そして出口の情報はなしか……」
[メイン]
茜(あかね) :
「…うん。職員さんに聞けばわかるのかな?」
でも魚なんだよね?
[メイン]
トキ :
「だが、仕事の邪魔をするなとも言われてるな……」
何やら危険な気配を嗅ぎ取ったらしい
[メイン] 茜(あかね) : 「そうだね。なんのお仕事をしてるのかはわからないけど、触らぬ神に祟りなし、だね!」
[メイン] トキ : 「ならば……ここは自然に職員に話しかけられる場所、レストランへと向かおう」
[メイン]
茜(あかね) :
「わかったわ」
こくりと頷いて
[メイン] 茜(あかね) : そのままレストランに足を向けようとして、テーブルが目に入った。
[メイン] 茜(あかね) : ………。
[メイン] 茜(あかね) : 気になっただけでなにもなかった!
[メイン] 茜(あかね) : 恥ずかしさで真っ赤になった顔を俯かせて、レストランへ向かうトキさんについていく。
[メイン] トキ : というわけでレストランに移動しましたGM
[メイン] GM : はい
[メイン]
GM :
可愛らしい外観は遊園地で見かけるようなデザインで、とくに怪しさは感じない。
また中からは、ジュウウと何かを焼くような音、そしてりんごの甘い香りが鼻をくすぐる。
[メイン]
茜(あかね) :
くんくんと鼻を鳴らして
「わぁ…良い匂いがするね」
[メイン] トキ : 「水の中なのに匂いはわかるんだな……」
[メイン] 茜(あかね) : えっ…そこは納得いってなかったんだ
[メイン]
トキ :
「とにかく入ってみるとしよう」
そう言って足を踏み入れる
[メイン]
茜(あかね) :
「可愛らしい外見だよね」
中も素敵なんだろうかと思いながら、トキと一緒にレストランの中へ。
[メイン]
GM :
入店すると、ウェイトレスの格好をした鯛やカクレクマノミが目に飛び込んでくる。
[メイン]
GM :
しかし、魚たちはあなたたちが知っているサイズよりかなり大きい。
そして彼らの腹は大きく膨らんでいるのがわかった。
[メイン]
GM :
「あっ、お客さんですか~?
ではあちらのお席にお座りください~」
[メイン] GM : と、特にあなた達に警戒する様子もなく話しかけてくる。
[メイン] GM : 彼らは奥にある、アップルパイが山積みになったテーブルを指さした。
[メイン] トキ : 「喋る魚か……新しい実験台になりそうだ」
[メイン] 茜(あかね) : 「待って、待って…!邪魔しちゃダメって看板の隅っこに書いてあったでしょ!?」
[メイン] トキ : 「むう……今は大人しくするべきか」
[メイン]
GM :
喋る魚という今までに見た事のない不可思議なものを見たあなた達は
《正気度喪失》0/1
[メイン] 茜(あかね) : 1D100<=54 正気度ロール (1D100<=54) > 34 > 成功
[メイン] トキ : CCB<=40 (1D100<=40) > 56 > 失敗
[メイン] system : [ トキ ] SAN : 40 → 39
[メイン] トキ : 「いや待て、魚が喋るというのはありえなくないか……?」
[メイン]
茜(あかね) :
現実逃避しているので喋る大きなお魚にも特に驚くことはなく
「それはそうだけど、今更そこ気になるの?」
[メイン] トキ : 「だって……魚って喋らないだろ」
[メイン] トキ : 「レストランで働かないだろ……」
[メイン]
茜(あかね) :
「それを言い出したら、私たちが水中でしゃべれていることや、髪や服が濡れないこと、息苦しくないこととかもおかしなことになっちゃうんだけど」
実際におかしいんだけど、もうそういうノリなのかなって思っていた。
[メイン] トキ : 「茜……現実から目をそらしてはならんぞ。おかしなことはおかしいと言うべきなのだ」
[メイン] 茜(あかね) : …私、ずっとおかしいって言ってたような…?
[メイン] 茜(あかね) : 「……う、うん。今度からは気になったことは相談するね」
[メイン] トキ : 「ふっ……それでいい。互いに力を合わせてここから脱出するぞ」
[メイン] トキ : そう言って指定された席に座る
[メイン] 茜(あかね) : あの…脱出するって言ってるそばから座りに行ってるんだけど…。
[メイン] 茜(あかね) : ため息と共に大きくこぽりと泡を吐き出して、トキと同じくお魚従業員に指定された席へと向かう。
[メイン] GM : 山のようにアップルパイが積まれているテーブルに近づくと、ちょうど真ん中あたりに突っ伏して眠る一人の少年を発見する。
[メイン] トキ : 人間の少年?
[メイン]
GM :
少年の袖にはよだれがうっすら滲んでいるのがわかるだろう。
口元に食べかすを付けており、すやすやと穏やかに眠っていた。
[メイン] GM : はい
[メイン] トキ : わかった
[メイン] トキ : 「む……どうやら先客がいるようだな」
[メイン]
茜(あかね) :
「…あっ、本当だ」
トキの視線の先、テーブルに突っ伏して眠る少年に視線を向ける。
[メイン]
トキ :
「こんなところで寝るのはマナー違反だぞ。ほら起きろ」
そう言って少年の身体を揺さぶる。
[メイン] GM : 体を揺さぶられれば、それに反応するように少年はむくりと起き上がる。
[メイン]
少年 :
「ふぁ……えっ、す、すみません!
……あれ、あんたたちは?」
[メイン] トキ : 「おれはトキ。医者だ」
[メイン]
少年 :
ぱちぱちと瞼を瞬いて、二人の方を見る。
物珍しそうな目で見つめてくることだろう。
[メイン]
茜(あかね) :
「おはよう。私は茜だよ」
目覚めたばかりの少年に笑顔を向けて
[メイン] 茜(あかね) : 「あなたのお名前は?」
[メイン]
少年 :
「トキさん、茜さん……
あっ、俺の名前は佐倉 海斗だ!よろしく!」
[メイン] 少年 : 呟くように名前を繰り返した後。
[メイン]
少年 :
「人ってのは珍しいな……ま、あんたたちも、ここにお腹が空いたから来たんだろ?
ここのアップルパイ、絶品なんだぜ!」
[メイン] 少年 : と、二人に山積みになっていたアップルパイの一切れを渡してくる。
[メイン] トキ : 「ほう……絶品か」
[メイン]
茜(あかね) :
「うんうん。海斗くんだね」
少年の自己紹介にこくこくと頷いて
[メイン]
茜(あかね) :
「わぁ…美味しそう」
差し出されたアップルパイを受け取る。
[メイン] トキ : アップルパイに目星していい?
[メイン] GM : いいよ
[メイン] トキ : CCB<=80 目星 (1D100<=80) > 45 > 成功
[メイン] GM : 良く艶が出ていて美味そうなアップルパイだと感じた。
[メイン] トキ : 「ただのアップルパイだな……食べてみるか」
[メイン]
茜(あかね) :
それに口を付けようとして、ピタッと止まり
「…人が珍しいって聞こえたけど、それってどういうこと?」
先に気になったことを尋ねてみる。
[メイン]
少年 :
「おいおい!毒なんて入れるかよ!」
と、冗談っぽく笑いながらも。
[メイン] トキ : 「世紀末ではそのように油断した者から死んでいった……」
[メイン]
少年 :
「ん?ここの店員とか見なかったのか?
ほら、あいつら魚だろ?他にもいるやつはみーんな魚
俺以外に人間っぽいやつには会ったことないね」
[メイン] 少年 : せ、世紀末?!そ、そんな怖いとこなんだな……と、少し震えつつも。その震えを隠そうと、胸を張りながら。
[メイン]
茜(あかね) :
「あっ、そうなんだね」
「海斗くんはここに詳しいの?」
もくもくアップルパイを頬張りながら
[メイン]
少年 :
「まー、詳しいって言っても行けばわかることくらいだけどな
ああ、色んなアトラクションでの乗り心地も知ってるけどな」
[メイン] 少年 : ニヤリと笑い、そう返す。
[メイン] 佐倉 海斗 : 「逆に、アンタたちは来たばっかりなんだな」
[メイン] 佐倉 海斗 : と、テーブルの上に行儀悪く座りながら、足をぷらぷらとさせている。
[メイン] トキ : 「ああ、おれたちはアトラクションより出口を探しているんだが……」
[メイン]
茜(あかね) :
「……本当だ!絶品って言うだけあって、いままで食べたアップルパイの中で一番美味しいかも!」
アップルパイに舌鼓を打ちながら
[メイン] 茜(あかね) : 「うん。ついさっき向こうのベンチで目が覚めたばかりなんだ」
[メイン]
佐倉 海斗 :
「! へへへ!だろ~!ここにあるのは全部タダらしいから、好きなだけ食っていいぞ!」
と、茜の言葉に嬉しげにほおを緩ませながら。
[メイン] 佐倉 海斗 : 自分が作ったわけでもないパイを差し出しつつも。
[メイン] 茜(あかね) : 差し出されたのをすぐに受け取って口へと運ぶ。
[メイン]
佐倉 海斗 :
「へえ、あそこから……ん、出口?
……ってことは、あんたたち……帰る場所がわかるんだな
……そんなにも帰りたいもんなの?」
[メイン] トキ : 「無論だ。おれには北斗神拳を発展させる天才としての義務がある」
[メイン]
茜(あかね) :
ゴクンとアップルパイを飲み込んで
「私もそうだね。帰りを待ってる…一緒に遊ぼうって約束してる人がいるから」
[メイン]
茜(あかね) :
「…海斗くんはどうなの?」
彼の口ぶりからは帰りたいって意志が希薄に感じて
[メイン] 佐倉 海斗 : ふぅ~ん……と、二人の答えを興味深そうに頷きながら聞きつつ。
[メイン]
佐倉 海斗 :
「俺?俺は……帰りたい、っていうか……どこに帰ればいいかわかんない。
キオクソウシツ……って奴なのかな?」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「まあ、思い出せないってことはあんまいいとこじゃなかったかもな!」
[メイン] 佐倉 海斗 : はは!となんとなしに笑いつつも。
[メイン] トキ : 「ほぉ…記憶喪失か。どれ、おれが治してやろう」
[メイン] 茜(あかね) : 彼はそういって笑ってるけど、本当のところはどうなんだろう?
[メイン]
茜(あかね) :
「でも、思い出してみて、それが素敵なものだったら、帰りたいって思ったりするかもしれないね」
「…私は無理強いはしないけどね」
[メイン]
佐倉 海斗 :
「うぇ……!?な、治せるもんなら治してみたいけどさ……!
………………」
[メイン] トキ : 「心配するな。おれは天才だ。おれに不可能はない!!」
[メイン]
佐倉 海斗 :
「……まあ、そういうもの……なのかな
実際、トキさんと茜さんは戻りたいって思ってるわけ……だもんな」
[メイン]
茜(あかね) :
「…さっき私のおでこを治せなかったじゃん」
ボソッと小さく泡と共にこぼす。
[メイン] トキ : 「あ~~聞こえんな!」
[メイン] 佐倉 海斗 : 二人のやりとりに、ははっ!と楽しげに笑いながらも。
[メイン]
茜(あかね) :
トキの方をじろっと睨んだあと、視線を海斗の方に戻して
「…もし海斗くんが思い出したいって思ったり、帰りたいって思うなら、私で良ければ手伝うけど…」
[メイン] 茜(あかね) : もちろん無理強いするつもりはないよ!と付け足して
[メイン]
佐倉 海斗 :
「……ん、それはまだ決めらんないな。俺の記憶次第ってのはある
でも……そう言ってくれるのは、嬉しいよ」
[メイン] トキ : 「では……とりあえず記憶を戻してから考えてもらうとしようか」
[メイン] トキ : GM、医学振って良い!?
[メイン] 佐倉 海斗 : ニッ、と笑い。からかうように茜の口にパイを突っ込みながら。
[メイン] 茜(あかね) : まずい。私が敢えて話を振ってやらせないようにしてたのに…
[メイン]
GM :
脳の障害だから取り出さないと詳しく見れない気もするが…
まあ振って見てもいいよ
[メイン] トキ : 「北斗神拳に不可能はない! その記憶を治す秘孔はこれだ」
[メイン] トキ : CCB<=30 医学 (1D100<=30) > 24 > 成功
[メイン] 佐倉 海斗 : 「うぉおおおおぉおッ!?」
[メイン]
茜(あかね) :
「もがっ!?」
口に突っ込まれたパイをモグモグ…
[メイン] 佐倉 海斗 : ツボを押されてびくりと震えながらも。
[メイン] 佐倉 海斗 : きょとんとした顔でトキを見つめる。
[メイン] 佐倉 海斗 : 「…………?」
[メイン]
GM :
だがあなたにはわかるだろう。
彼の記憶障害の原因は脳に理由があると。
しかし、彼はどうやら一時的に記憶を失っている様子ではない。
[メイン]
茜(あかね) :
「けっ、けほっ…ってなにやってんの!?」
私の口にアップルパイを突っ込んだ海斗くんが、トキさんから秘孔を突かれるという謎の構図になっていた。
[メイン] GM : むしろ、長期的な病に関わりがあるのではないか、と感じた。
[メイン] トキ : 「うむ……貴様の記憶はただ失われたというわけではないらしいな……」
[メイン] トキ : 「病の予感を感じる。記憶以外でどこか悪いところはないか?」
[メイン]
佐倉 海斗 :
「むっ……頭が悪いって言いたいのか!
……まあ、特に変な所は感じないな」
[メイン]
茜(あかね) :
トキのその様子を見ながら
(えっ…もしかして、私のおでこは治せなかったのに、海斗くんの記憶喪失については何かわかったの?)
[メイン] 佐倉 海斗 : 特に振舞う様子もなく、それが嘘っぽくも見えない。
[メイン] トキ : 「自覚はないか……ならば診療器具のないここでは手の施しようがないな」
[メイン]
佐倉 海斗 :
「……まぁ、それなら俺は記憶探し
茜さんとトキさんは出口探しってことで、何かないか探そうか?
何も覚えてはないけど、案内位は出来るからさ」
[メイン] 佐倉 海斗 : ぴょい、と机から飛び降りながら、二人にそう提案する。
[メイン]
茜(あかね) :
「案内してくれるのなら、私としては助かるわ!」
ニコリと笑顔を向けて
[メイン] トキ : 「では頼むとしようか……診察費の代わりだ」
[メイン]
佐倉 海斗 :
「うっし、決まりだな!
それじゃあ俺についてこい!遅れた奴は知らないぞ~!」
[メイン]
佐倉 海斗 :
と、そのまま元気一杯に走っていく。
店員からも呼び止められる様子はない。本当にタダの様だ。
[メイン]
茜(あかね) :
「あっ!ま、待って~!」
ナプキンで手と口元をぬぐってから席を立ち、先に出ていった彼を追いかけるようにレストランから出て行く。
[メイン]
トキ :
「たくましいな……ずいぶん自分の血を流してきたのだろう」
そう言って二人の後をついていく
[メイン]
茜(あかね) :
「…っと、そうだ!ごちそうさまでした!」
出て行く直前に足を止めて振り返り、従業員のお魚にお礼を述べて
[メイン] GM : 従業員の魚は、「また来てねぇ~」と嬉しげに手を振り返していった。
[メイン] 茜(あかね) : その様子に笑顔を向けて、海斗を追いかけるために店を出て行った。
[メイン] GM :
[メイン]
GM :
てっぺんまで行けば、園内が一望できるであろう大きな観覧車だ。
見上げてみれば観覧車自体が光を浴びて、きらきらと反射で輝いていて眩しい。
装飾には大ぶりの真珠が使われていることがわかるだろう。
[メイン]
GM :
ここでは可愛らしい帽子をかぶったタツノオトシゴが従業員のようで、器用に観覧車の操作をしている。
このタツノオトシゴも、腹部が異様に膨らんでいるのが目に付く。
[メイン] 佐倉 海斗 : 「おおぉ~、何回来てもここは楽しそうだな~!」
[メイン] 佐倉 海斗 : と、彼は浮足立った様子でワクワクとしていた。
[メイン] 茜(あかね) : こぽりと吐き出した泡を目で追い見上げると、その先にある観覧車がキラキラと輝いていた。
[メイン] トキ : 「観覧車か。世紀末には縁のない乗り物だった……」
[メイン] 茜(あかね) : 「わぁ…おっきな真珠がついてるよ!きれいだな~」
[メイン] 佐倉 海斗 : すると海斗は、まるで自分が褒められたかのように嬉しそうな顔をして。
[メイン] 佐倉 海斗 : 「だろだろ!それに乗ったことないっていうなら……乗ってみようぜ! この遊園地が見渡せて、ちょー綺麗なんだ!」
[メイン] 佐倉 海斗 : と、誇らしげに言う。
[メイン] トキ : 「いいだろう……上からならば出口も見つけやすいかもしれん」
[メイン]
茜(あかね) :
海斗のその様子にクスリと笑顔が漏れて
「うん!早速乗ってみようよ!さっきのアップルパイも美味しかったし、海斗くんがそう言うならきっと綺麗なはず!」
[メイン]
佐倉 海斗 :
その言葉にニヤケ顔になる。
褒められたことで、嬉しそうにしながらも。
[メイン]
佐倉 海斗 :
「……はっ、と、ともかくだなっ!
そうと決まれば出発だっ!」
[メイン]
佐倉 海斗 :
と、すたすたと進んでいく。
よっぽど褒められたことが恥ずかしかったのか、早足歩きだ。
[メイン] GM : あなた達に気が付いたタツノオトシゴは、目を向けて
[メイン] GM : 「お客さん3名様だねェ~!さぁ乗った乗った~!」
[メイン] GM : と、気さくに話しかけてくる。
[メイン]
トキ :
「邪魔するぞ」
乗り込む
[メイン] 茜(あかね) : タツノオトシゴに軽く会釈をして観覧車内へと向かう。
[メイン]
GM :
観覧車のカゴは全面ガラス張りで、上下左右透明だった。
強度はありそうで簡単に壊れるようなことはないだろう。
[メイン]
GM :
全員が乗ったことを確認すると、がごんと音を鳴らし、観覧車が登っていく。
ガラス張りなので、よく外が見える事だろう。
[メイン] GM : 目星どうぞ
[メイン] 茜(あかね) : ゆっくりと上がっていく観覧車に、自分の心も少しずつワクワクしていく。
[メイン] 茜(あかね) : CCB<=65 目星 (1D100<=65) > 30 > 成功
[メイン] トキ : CCB<=80 目星 (1D100<=80) > 63 > 成功
[メイン]
GM :
二人が座った座席にメモが見つかる。
『彼らは面白い事、楽しい事が大好き。』と書かれていた。
[メイン] 茜(あかね) : 海斗くんはどうなんだろうか?と思ってちらりとそちらに視線を向けると、隣に座るトキさんの座席にメモが置いてあることに気がつく。
[メイン]
トキ :
「このメモは……」
手に取って内容を見ると茜に渡す
[メイン]
佐倉 海斗 :
ワクワクした茜の様子に笑みを浮かべて。
そしてゆっくりと上がっていく景色を見ながら、ほつぽつと呟く。
[メイン] 茜(あかね) : トキさんから渡されたメモに視線を落としたあと、海斗くんのつぶやきが聞こえてそちらに視線を向ける。
[メイン] 佐倉 海斗 : 「……俺はな前のことはなーんもわかんないけど、でもこんな綺麗な景色を見てみたい、って思った気はするんだよね」
[メイン]
佐倉 海斗 :
「海ってさ、自由に好きなだけ泳げる楽しいところ……だ、って
だから……俺もここに来たのかな、なんて」
[メイン] 佐倉 海斗 : へへへ、と笑いながらも、ぼぉっと外の景色を見つめている。
[メイン]
茜(あかね) :
「その気持ち、私はなんとなくわかるかも」
「私も生まれてからずっとお屋敷の中で暮らしていて、外の世界が広いって知ったのはここ最近なんだ」
同じように観覧車の窓から見える景色を眺めながら
[メイン] トキ : 「ああ……俺が生まれた土地も戦争で荒れ果てて、このような景色はどこにも存在しなかった……」
[メイン]
佐倉 海斗 :
「……そっか、アンタらも苦労してるんだな
それでも外に出たいって思えるのは……それくらい、外の景色が綺麗だから、なんだろうな」
[メイン] 佐倉 海斗 : 窓から見ていた目を、トキ、茜に向けながらも。
[メイン]
茜(あかね) :
「それもあるんだけど…さっきレストランでも話したよね?待ってる人がいるって」
「広い世界だけじゃなくて、そういう繋がりもあるから外に出なきゃって思っちゃうんだ」
こちらを見る海斗の視線に自分の視線を合わせて
[メイン] トキ : 「茜の言うとおりだ。それにおれには外に出てやらねばならないこともある……」
[メイン]
佐倉 海斗 :
「……へへ、そっか
俺も待ってる人がいるなら……会ってみたいな
茜さんやトキさんみたいに、いい人かもしんないし……あっ」
[メイン]
GM :
海斗のつぶやきと共に、いつの間にか観覧車は頂上付近まで接近していた。
[メイン] GM : 目星どうぞ
[メイン] 茜(あかね) : CCB<=65 目星 (1D100<=65) > 76 > 失敗
[メイン] トキ : CCB<=80 目星 (1D100<=80) > 1 > 決定的成功/スペシャル
[メイン] トキ : !
[メイン] GM : !
[メイン]
GM :
トキには立ち入り禁止ゾーンであるサンゴの林の奥に建物が見えた。
アトラクションと呼ぶにはいささか簡素な作りをしている。
[メイン] GM : また、建物の近くはサンゴがひらけており、何かオブジェが見える。
[メイン] GM : よく見るとそれは────人の手や足、頭などがオブジェとして飾られているのだった。
[メイン]
GM :
医者のあなたならば、絶対に間違えることがないだろう。
あれは、本物だ。
[メイン] GM : 正気度喪失≪0/1≫
[メイン] トキ : CCB<=39 (1D100<=39) > 45 > 失敗
[メイン] system : [ トキ ] SAN : 39 → 38
[メイン]
トキ :
「ほう……あまり良い趣味とは言えんな」
何かに気づき
[メイン]
茜(あかね) :
「…何か見えたの?」
トキとは逆方向を見ていたため、いつの間にか観覧車は頂上から過ぎていた。
[メイン] トキ : 「ふん……今はまだ知らなくていいだろう」
[メイン]
茜(あかね) :
「……?」
まあいいけど。
[メイン] 佐倉 海斗 : 海斗は二人の様子に気付かず、あれはご飯が売ってるとこで〜!とか、色々興奮しながら解説していた。
[メイン]
茜(あかね) :
「そうなんだ~。それならあれは?」
すぐに海斗の方に向き直って、気になる施設を解説してもらう。
[メイン]
GM :
そんな会話をしていく中で、どんどんと観覧車は下降していく。
楽しいひと時を過ごせたか、それとも不穏を感じたかはそれぞれだろう。
[メイン]
茜(あかね) :
「海斗くんが言ったとおり、綺麗な景色を見渡せたね!」
観覧車から降りてニコニコ笑顔で感想を述べる。
[メイン] トキ : 「ああ……実に興味深かった」
[メイン]
茜(あかね) :
最初はおかしな状況にあたふたしていたけど、いまは興味関心の方が勝っているかもしれない。
トキさんはどうなのかは知らないけど、少なくとも私はそうで…。
[メイン] 佐倉 海斗 : 「だろ〜! 俺としても気に入ってもらって何より!」
[メイン]
佐倉 海斗 :
二人の感想に嬉しげにそう答える。
自慢げに胸を張りながら、そう言いつつ。
[メイン]
佐倉 海斗 :
「じゃー次はどこ行く!?
俺はどこでも案内できるよ!」
[メイン] 佐倉 海斗 : と、自信満々に。褒められたことで案内したい気持ちが強くなっていっているのだろう。
[メイン]
茜(あかね) :
自信満々な海斗をほほ笑ましく思いながら
「う~ん…そうだなぁ…」
うんうんと悩みつつ、ちらりとトキの方に視線を向けて
[メイン] トキ : 「では……向こうにある立ち入り禁止ゾーンはどうだ?」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「えっ!?あ、あそこかぁ……う、ううん……」
[メイン] 佐倉 海斗 : と、悩ましげな顔を見せる。
[メイン] トキ : 「行ったことはあるのか?」
[メイン]
佐倉 海斗 :
「……実は、その……俺、まだあそこ行ったことないんだよね……
案内できるって言っておいてアレだけど……
立ち入り禁止って言ってるとこに行くのも、はばかられるしさ……」
[メイン] トキ : 「そうか……ならばいい。別のところを案内してもらおう」
[メイン] 茜(あかね) : 「そうだね。従業員の邪魔をしちゃダメって書いてあったし、立ち入り禁止なら近くで何か作業してるかもしれないしね」
[メイン] 佐倉 海斗 : 2人にこくこく!と頷きながら。
[メイン] 茜(あかね) : 「トキさんは観覧車から眺めて、他に気になるところはあった?」
[メイン] トキ : 「あの立ち入り禁止ゾーンが一番気になったが……次に気になるのは人形館だな」
[メイン] トキ : 「外から見るだけじゃ何があるのか全くわからんからな」
[メイン]
茜(あかね) :
看板で見た施設案内を思い出して
「そういえば、そんな施設があったね」
[メイン]
佐倉 海斗 :
「ん、あそこか!なら行ってみようか
中に何があるかは……まぁ、行ってみてのお楽しみだな」
[メイン] 佐倉 海斗 : 二人に頷き、そうして先導するように案内を務める。
[メイン]
茜(あかね) :
観覧車前のタツノオトシゴに楽しかったです!とお礼を述べて
(お魚の標本でも飾ってあるのかな?)
なんて思いながら、海斗について行く。
[メイン] トキ : 「ふむ、楽しみだな」
[メイン] GM : 人形館はこじんまりとした洋館で、入口と思われる大きな扉は閉まっている。
[メイン]
GM :
そして扉の左右にはチンアナゴとニシキアナゴが地面から生えていた。
チンアナゴとニシキアナゴは水の流れに乗ってゆらゆらと揺れているだろう。
もちろんというべきか、大きな腹を抱えながら。
[メイン] GM : 2匹はあなた達のことを見ると、すんなりと中へと通してくれた。
[メイン]
GM :
中に入ると、そこは外見を裏切らない洋式の館だった。
ただし、ぎしぎし、という音のありかを探してみれば────。
[メイン] GM : 天井に張り付いた、球体関節人形が張り付いている。
[メイン]
GM :
そして、張り付いていない人形の一体があなた達に近づき。
硬い動きでスカートの裾をつまんでお辞儀している。
[メイン]
GM :
「イラッシャイマセ。イラッシャイマセ」
「ココハミンナノオウチ ユックリシテイッテネ」
[メイン] トキ : 「ほう、文字通りの木人形が喋るのか」
[メイン]
茜(あかね) :
「わぁ~!外観も内観も素敵だね~!」
外と中を見回して
[メイン]
佐倉 海斗 :
「ははっ、ビックリしただろ?俺も最初来た時はビビって……
なっ……!?……なんでもない……」
[メイン] 佐倉 海斗 : 二人の反応を見て、一切動じていないことに気づきつつも。
[メイン]
茜(あかね) :
「あっ!可愛い!お世話になります!」
ぺこりと人形に会釈をする。
[メイン] トキ : 「どんな構造なのか気になる。一度バラしてみたいな」
[メイン]
茜(あかね) :
海斗のその様子にくすりと笑って
(こっちも可愛い)
[メイン] 茜(あかね) : 「…ってなに言ってるのよ!?」
[メイン] トキ : 「お前は不思議に思わないのか?」
[メイン]
佐倉 海斗 :
「ぶっ、ぶっ壊れそうだな……」
冷や汗をたらりと流しながらも。
[メイン]
茜(あかね) :
「遊園地だし、そういう出し物でしょ!」
そう自分が説明したことで不思議な感じがなくなっていった気がする。
[メイン] GM : 探索者に気が付いた天井の人形たちは関節を好き勝手な方向に捻じ曲げさせ、探索者へと視線を向けてくる。
[メイン]
GM :
人形館の中はホールのようになっており、左右に扉がある。
また建物一階の中央には階段があり、二階部へと上がれるようになっている。
[メイン] 茜(あかね) : こ、ここにいたんじゃトキさんがまた物騒なことを言いそうだから先に進もう!
[メイン] 茜(あかね) : 「ねぇ!向こうに扉と階段があるよ!海斗くんは先がどうなってるか知ってるの?」
[メイン]
佐倉 海斗 :
「ん……そういや、中は見たことないな
ここの内装にびびっ……もとい、すぐに帰ったから……あんまり見てないな」
[メイン] トキ : 「なるほど」
[メイン] 佐倉 海斗 : ぽりぽりと頬を掻き、恥ずかしげにそう答えつつ。
[メイン]
茜(あかね) :
「そうなんだ。それじゃ今日は一緒に回ろっか?」
海斗を安心させるように笑顔を向けて
[メイン] 佐倉 海斗 : 「うっ……!?」
[メイン] 佐倉 海斗 : その笑顔に、気恥ずかしさを見抜かされたような気持ちになって。
[メイン] トキ : 「どうした? どこか悪いのか? どれ、おれが治してやろう」
[メイン]
佐倉 海斗 :
「……う……わ、わかったよっ!
……そっ、それでどこに行くんだ!?」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「はっ!?……きっ……気にしなくていいから!」
[メイン] トキ : 「チッ」
[メイン] 佐倉 海斗 : 手をぶんぶんと振りそう返している。
[メイン] 佐倉 海斗 : 油断も隙もねえな!?と、冷や汗をかきながら答えつつも。
[メイン]
茜(あかね) :
あはは…と2人の様子に苦笑しながら
「トキさんはどこから行ってみたい?」
[メイン] トキ : 「まずは順番通り一階から見て回ろう」
[メイン]
茜(あかね) :
「わかったわ。それじゃ行こう!」
何の気なしに海斗へ手を差し出してみる。
[メイン] 佐倉 海斗 : 「……なっ……!?」
[メイン]
佐倉 海斗 :
男のプライドとして、その手を握るかの葛藤はあったものの。
……やっぱり内心怖い部分があったのか、その手を握り返しながらも。
[メイン] 佐倉 海斗 : 「……よ、よろしく」
[メイン]
茜(あかね) :
海斗の手をぎゅっと握り返して
「うん!」
ニコリと笑顔を向ける。
[メイン]
トキ :
「よろしくな」
そう言って反対の手を握る。
[メイン] トキ : ニコリと笑顔を向ける。
[メイン] 佐倉 海斗 : 「……う、なんだか……恥ずかしいぞ、これ」
[メイン] 佐倉 海斗 : そちらとも手を握るが、二人の笑顔に顔を俯きながら。
[メイン] 佐倉 海斗 : そうして、おずおずと三人で部屋へと入っていく。
[メイン]
GM :
部屋に入ると壁全体が本棚に覆われていた。
英語やラテン語、ドイツ語、中国語などありとあらゆる言語の書物が並んでいるだろう。
[メイン]
茜(あかね) :
「わぁ…!人形館なのに本がたくさん…!」
目をきらきらとさせる。実は読書好きだったりする私。
[メイン] トキ : 「この部屋に人形はないのか……?」
[メイン] 茜(あかね) : GMさん、図書館を振ってなにか見つかりますか?
[メイン] GM : あるよ
[メイン] 茜(あかね) : それじゃ振らせてもらうね
[メイン] トキ : あるんだ
[メイン] 茜(あかね) : CCB<=85 図書館 (1D100<=85) > 8 > スペシャル
[メイン] トキ : !
[メイン] GM : !!
[メイン]
GM :
一人の少年の半生が描かれた絵本を見つける。
[メイン] GM : また、物語の主人公である少年の挿絵は────佐倉海斗にそっくりであることがわかった。
[メイン] 茜(あかね) : 器用に片手で蔵書を漁り、ふと気になった本を開くと…。
[メイン] GM : この絵本は少年の誕生から10歳になるまでが描かれており、途中黒いページが何ページか続いていく。
[メイン] GM : 最後のページには病院のベットで眠っているやせ細った少年のイラストが描かれていた。
[メイン]
GM :
絵本の結末は書かれていない。
やせ細った少年を最後に、絵本は終わった。
[メイン]
茜(あかね) :
「あれ?この本の主人公って…」
トキと海斗にも見えるように本を開いてみせる。
[メイン]
トキ :
「似てるな。他人の空似というやつかな」
カイトの顔と見比べながら
[メイン] 茜(あかね) : 「似てるよね。海斗くんは見覚えがあったりする?」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「……?」
[メイン] 佐倉 海斗 : その本を見ても、不思議そうな顔で二人に目を返して。
[メイン]
佐倉 海斗 :
「んん……?黒いだけの絵本、か……?
こんなのが絵本なのか?」
[メイン] 佐倉 海斗 : と返す。
[メイン] トキ : 「カイト……お前目が見えないんだな?」
[メイン]
茜(あかね) :
「………」
もしかして、海斗くんにはこの本の挿絵が見えてない?
[メイン]
佐倉 海斗 :
「い、いや!ちゃんとアンタらのことはわかるよ!?
……ただ、これは全然見えなくって……」
[メイン]
茜(あかね) :
「…えっとね、この本にはね、海斗くんとそっくりな子供の挿絵が描いてあるの」
隠さずにちゃんと説明する。
[メイン] 佐倉 海斗 : 「……!」
[メイン] 佐倉 海斗 : ごくり、と息をのみ茜に目を向ける。
[メイン] 佐倉 海斗 : 「俺の挿絵……?」
[メイン] 茜(あかね) : こくりと頷いて、それぞれの挿絵の内容を教えていく。
[メイン] 佐倉 海斗 : 「…………」
[メイン]
佐倉 海斗 :
その内容に深刻そうな顔になる。
息を潜めて、額には冷や汗を浮かばせながらも。
[メイン]
佐倉 海斗 :
「で、でも……俺はこうして、ぴんぴんしてるぞ!
動けるし、こんなに痩せてもないし……」
[メイン]
茜(あかね) :
「うん。そうだね」
「これは絵本の内容で、ただ海斗くんにそっくりってだけだから、そんなに深刻な顔をしなくても大丈夫だよ」
[メイン]
茜(あかね) :
「…心配させたり、怖がらせてしまったのなら…ごめんなさい」
ぺこりと頭を下げて謝罪する。
[メイン] トキ : 「やはり他人の空似という奴だろう。世の中にはアミバという名前の俺と瓜二つの男がいるらしいしな」
[メイン]
佐倉 海斗 :
「……ん」
その謝罪に、目を開かせて。
[メイン]
佐倉 海斗 :
「まあ、そっか……
二人の言う通り、ただの絵本だから……気にすることもない、のかな
……いや、むしろ……伝えてくれてありがと」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「わかんなかったことを、そのまま言ってくれたわけだしね」
[メイン] 佐倉 海斗 : へへっ、と嬉しげに笑いつつも。
[メイン]
茜(あかね) :
「…ありがとう」
海斗の笑顔に、自分も笑顔を向けて
[メイン] トキ : 「うむ、仲直りしたところで、別の部屋を観に行くとしよう」
[メイン]
茜(あかね) :
「そうだね」
念のためにと、先ほど見つけた本を懐にしまって
[メイン] GM : 目星どうぞ
[メイン] 茜(あかね) : CCB<=65 目星 (1D100<=65) > 99 > 致命的失敗
[メイン] トキ : CCB<=80 目星 (1D100<=80) > 92 > 失敗
[メイン]
GM :
茜はそう言うと、本に突っかかって転びます
HP-1
[メイン] system : [ 茜(あかね) ] HP : 9 → 8
[メイン] GM : しかし、その衝撃で持っていた本から一枚のメモが落ちてきます
[メイン] トキ : !
[メイン]
茜(あかね) :
本を懐にしまおうとして、足下に落ちていた本に気づかず足を取られて
……そのまま本棚に頭を打ち付ける
[メイン] 茜(あかね) : 「~~~!?!?!?!?!?」
[メイン] 茜(あかね) : なんで、なんでまた同じところを!?
[メイン]
佐倉 海斗 :
「おっ、おいおい!?
大丈夫かよ茜さん!?」
[メイン] 佐倉 海斗 : 慌てて彼女に駆け寄り、心配そうにしつつも。
[メイン] トキ : 「ほぉ…額を打ったのか。どれ、おれが治してやろう」
[メイン]
茜(あかね) :
「いたい…けど、大丈夫」
心配かけまいと、作り笑いをして
おでこは真っ赤になっているが
[メイン]
茜(あかね) :
「…お願いします」
先ほどの海斗くんの記憶についての診察を見て、実はすごいお医者様なのではと思っていた。
[メイン] トキ : CCB<=30 医学 (1D100<=30) > 90 > 失敗
[メイン] トキ : 「ん!? まちがったかな…」
[メイン]
佐倉 海斗 :
「そ、そうか……でも、何か出来ることがあったら言ってくれよ」
と、言いながらトキの診察を見ていると。
[メイン]
茜(あかね) :
藪医者!もう医者なんかやめちゃえ!
そう視線で訴えてると、本からひらりとメモが落ちて
[メイン] 佐倉 海斗 : ……あの人でもダメなのか……と、苦笑いを零していた。
[メイン]
茜(あかね) :
「…あれ?」
落ちたメモを拾い上げて、2人にも見せてみる。
[メイン] トキ : 「ん!?」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「うん?」
[メイン]
GM :
《門の創造》
対価を支払うことで、自らの望む場所へと転移できる門。
アルコールが散布されている魔法陣に手を触れ、行きたい場所を想像する。
代償を支払うと、望む場所へと転送される。
ただし、転移した場所から人間が戻ってくることは不可能。
[メイン]
GM :
まるで魔法のような言葉だが、走り書きで言葉が乱れたそのメモには実感がこもっていた。
これが起こせるかのように思えてしまうほどに。
[メイン] 茜(あかね) : 「…なんだろうね?これ?」
[メイン] トキ : 「オカルトか何かか……? いずれにせよ、アルコールがないことには実行しようがないな」
[メイン]
佐倉 海斗 :
「だなあ、丁度アルコールがあるわけでもないし……
まあ、話半分に聞いておこうぜ」
[メイン] GM : そして茜が本を持ち外に出ようとすると、扉に『すべて秘蔵書につき、持ち出し厳禁』と書かれていることがわかる。
[メイン]
茜(あかね) :
「うん。そうだね」
話していると、いつの間にか痛みが引いていた。
[メイン]
茜(あかね) :
「ありゃ?持ち出せないんだ」
扉の注意書きが目に入る。
[メイン]
茜(あかね) :
「それならちゃんと元の場所に…」
残念そうな顔をしながら懐に入れた本を取り出して、元の場所へと収める。
[メイン] GM : 特に障害もなく、すんなりと扉を抜け出した。
[メイン] トキ : 「ではもう一つの部屋を見てみるとしよう」
[メイン]
茜(あかね) :
「そうだね!」
海斗くんの手を引いて次の部屋へと向かう。
[メイン] 佐倉 海斗 : 「わっ!?ちょっ、ご、強引だってっ……おわぁああっ!」
[メイン] 佐倉 海斗 : そのまま引っ張られていくように、茜とトキの後ろについていく。
[メイン] GM : 扉を開けると今までと雰囲気が違うことがわかる。
[メイン] GM : どうやらここは病室を模して造られた部屋のようだった。
[メイン]
GM :
心電を表すモニターや健康な一般人にはなじみのない医療器具などが並んでいる。
全ての機器は作動しており、機械的な電子音が部屋には響いているがベットには誰もいない。
[メイン] 佐倉 海斗 : 「────っ!?」
[メイン] トキ : 「ほう……なかなか設備が整った良い病室だ」
[メイン] 佐倉 海斗 : その光景を見た海斗は、茜の手をも振り切って、扉の外へと飛び出していった。
[メイン] トキ : 「!?」
[メイン] 茜(あかね) : 「病室みたいだね…って海斗くん!?」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「ここ、ッ……なんか、嫌だっ……」
[メイン] 佐倉 海斗 : 扉の外から、くぐもった声が聞こえる。
[メイン]
茜(あかね) :
「…ど、どうしよう?トキさん!?」
ひとりあわあわしている。
[メイン] トキ : 「うむ……まあ入りたくないというなら我々だけで見て回ればいいだろう。心配なら奴の様子を見て来ても構わんぞ」
[メイン]
茜(あかね) :
「…!」
「えっと、それじゃ…私は海斗くんの様子を見に行ってくるから、ここはトキさんに任せても大丈夫かな?」
[メイン] トキ : 「任せろ」
[メイン]
茜(あかね) :
トキさんの言葉に大きく首を縦に振って
「…ありがとう!」
すぐさま海斗くんの元へと駆け出した。
[メイン] トキ : 「行ったか……しかし見れば見るほど優れた設備の病室だ」
[メイン] トキ : 「これが俺の時代にもあれば……」
[メイン] トキ : 「もっと色んな実験を行えただろう」
[メイン] トキ : CCB<=80 目星 (1D100<=80) > 8 > スペシャル
[メイン] トキ : !
[メイン] GM : !!
[メイン]
GM :
カードのようなものを見つける。
半透明でとても軽く、何の物質でできているかはわからない。
表面には丸っこい形をした数字の式のような文字が書かれている。
[メイン] トキ : 「これは……数学か……? 世紀末には不要な物だ……」
[メイン]
トキ :
「とはいえ、一応持っておこう」
カードをポッケにしまう
[メイン] トキ : 医学で医療器具について詳細調べて良い?
[メイン] GM : いいよ
[メイン] トキ : 「俺は天才だ」
[メイン] トキ : CCB<=30 医学 (1D100<=30) > 39 > 失敗
[メイン] GM : なにもわかりませんでした
[メイン] トキ : 悲しいだろ
[メイン] トキ : じゃあとりあえず医療機器を目星で調べるね……
[メイン] トキ : CCB<=80 目星 (1D100<=80) > 51 > 成功
[メイン] GM : 脳の病気治療に使われる機材が多いな、と感じるだろう。
[メイン] トキ : 「俺は天才なのでこれが脳の治療に使うものだとわかる……。これを使ってカイトの診断ができるかもな……」
[メイン] トキ : 「まあ、こんなところか……」
[メイン] トキ :
[メイン] トキ :
[メイン] トキ :
[メイン] トキ : 「やっぱベッドも見とこう」
[メイン] トキ : CCB<=80 目星 (1D100<=80) > 52 > 成功
[メイン] GM : ノートと筆記用具が置かれていた。
[メイン]
GM :
ノートは日記のようで表紙に「佐倉海斗」と書かれている。
中を見ると、毎日書かれているものではなく、日付が飛んでいることが多い。途中大きく日付が空いた箇所があり、それからまた日記が続いている。
[メイン] トキ : 「カイトの日記か。なぜここにあるのかはわからんが読んでみるとしよう」
[メイン] トキ : 「余ったページは新たな秘孔を記録するメモ帳にしよう」
[メイン] GM : 日記にはこう書かれていた。
[メイン]
GM :
○月△日
今日からにゅういん。ごはんがおいしくない。かんごふさんはやさしい!
○月△日
おっきなけんさきかいの中に入るのは楽しい。でも一日中ねてないとだめだからつまんない。
○月△日
となりのりくが自まんしてきた。ちっちゃいころ海によく言ったんだって。ぼくもいきたいなあ。
[メイン]
GM :
○月△日
おべんきょうつまんない。学こうなら、たのしくあそべるのかな。
[メイン]
GM :
○月△日
あたまいたい。倒れちゃった。
○月△日
お薬の量が増えた。痛いしまずい…
[メイン]
GM :
○月△日
パパにほしいものを聞かれたから、海か遊園地って言ってみた。
[メイン]
GM :
○月△日
せんせいとパパがむずかしい話してる。ぼくにはちょっとよくわかんないや
○月△日
ぼくのびょうきのことをせつめーしてもらったけど、よくわかんない。のうみそがたいへんってことはわかった。
○月△日
びょういんのごはんがおいしくない ママのアップルパイが食べたいな
[メイン]
GM :
○月△日
りくが死んじゃった
[メイン] GM : 数ページ間が空いている。
[メイン]
GM :
○月△日
すごくあたまがいたい。死んじゃうんじゃないかってぐらい。
[メイン]
GM :
○月△日
右目がみにくい。ふべん。
○月△日
ママはきっとすぐに治るよっていう。
ほんと?
○月△日
きもちわるい。チューブのごはんを食べてる。
[メイン]
GM :
○月△日
ちょっと動いただけで、ふらついてころんじゃう。
○月△日
立てなくなった
○月△日
いたい
[メイン]
GM :
○月△日
へんな人が来た。
おねがいごとをかなえてあげるって。
だから、おねがい、してみた。
でももうぼくは……
[メイン] GM : 日記は途中で途切れている。最後の日付は最近のものだとわかるだろう。
[メイン] トキ : 「ふむ…………何もわからんな」
[メイン] トキ : 「じゃあ次のページに新秘孔のメモを書いたら、茜にも見てもらおう」
[メイン] トキ :
[メイン] トキ :
[メイン] トキ :
[メイン]
茜(あかね) :
「──海斗くん!」
口から大きくコポコポと泡を吐きながら、扉の先にいる海斗くんの元へと。
[メイン] 佐倉 海斗 : 「……っ!?」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「……な、なに……?」
[メイン]
茜(あかね) :
「ああ良かった。いなくなっちゃったんじゃないかって不安で…」
すぐに追いかけてきて正解だった。
[メイン]
茜(あかね) :
「ごめんね。無理強いはしないって言ったのに、いやなところへ連れて行っちゃったね」
謝罪するように頭を下げる。
[メイン] 佐倉 海斗 : 「…………」
[メイン]
佐倉 海斗 :
「ううん……俺も、わからなかったから
ちょっと……あれを見たら、なんか、恐ろしくなって……」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「……こっちこそ、急に飛び出しちゃって……ごめん」
[メイン]
茜(あかね) :
『まあ、思い出せないってことはあんまいいとこじゃなかったかもな!』
出会ったときに海斗くんはこう言っていた。確証はないけど、海斗くんにとってはあの病室はその"あんまいいとこじゃなかった"のかもしれない。
[メイン]
茜(あかね) :
「ううん。ちゃんと扉の近くにいてくれて良かったよ。海斗くんがいなくなったら、出口を探すどころじゃなかったからね」
安心させるように笑顔を向けて
[メイン] 佐倉 海斗 : 「…………」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「……はは、優しいな……茜さんは」
[メイン] 佐倉 海斗 : ぽつりとそう零しながら。
[メイン]
佐倉 海斗 :
「どうして、見ず知らずの俺をそんなに気にかけてくれるんだ?
初対面だし、ほっとけば……いいのに」
[メイン] 茜(あかね) : ふふっ、ありがとうと返す。
[メイン] 茜(あかね) : 「それは…」
[メイン]
茜(あかね) :
「私も、そうだったから…かな」
「仲が良い友人がいるんだけど、最初に出会ったときは互いに初対面でね」
「それでさ、初対面なのにいっぱい迷惑かけちゃって…それでも私に向き合ってくれたんだ」
その時を思い出すような表情をしながら
[メイン] 茜(あかね) : 「だからね。私もその人に習って、困ってる人や、辛かったり悲しんでる人がいるなら…できるだけ優しくしてあげようって思ったの」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「………………」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「あんたも、俺と……同じだった、のか」
[メイン] 佐倉 海斗 : その言葉を、咀嚼するように声を落としながら呟き。
[メイン]
佐倉 海斗 :
「……うん。なら、あんたの友だちは……いい人なんだな
そして、その茜さんも、いい人だ」
[メイン] 茜(あかね) : 「ありがとう。私と、私の友人を褒めてくれて」
[メイン]
茜(あかね) :
「それにね。海斗くんだって、とっても良い人だよ」
「だって初めて出逢った私たちをいろんな場所に案内して、楽しませてくれたでしょ?」
[メイン]
佐倉 海斗 :
その言葉に驚いたかのように、言葉が返されず。
そして。
[メイン] 佐倉 海斗 : 「……ははっ」
[メイン]
佐倉 海斗 :
「そっか、ちゃんと茜さんたちを楽しませられててアカナ
……へへへ、そう言われたのは……初めてだよ」
[メイン] 佐倉 海斗 : そして海斗が閉じていた扉がぎい、と開かれる。
[メイン]
佐倉 海斗 :
「……見たい訳じゃない、けど
ちょっと……マシになったよ」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「……ありがとう」
[メイン] 佐倉 海斗 : ぺこりと頭を下げる様子を見せて。
[メイン]
茜(あかね) :
「どういたしまして」
「こちらこそ、ありがとう」
[メイン] 茜(あかね) : そのままゆっくりと海斗くんに近づいて、彼の頭を抱えるように優しく抱きしめる。
[メイン] 佐倉 海斗 : 「……あぅっ……!?」
[メイン] 佐倉 海斗 : 抱擁に驚いたのか目を丸くして、そのまま顔をうすら赤くしながらも。
[メイン] 佐倉 海斗 : 「……うぅう、な、なにすっ、だよっ……!?」
[メイン]
茜(あかね) :
「あっ…ご、ごめんね!?」
「つい…身体が動いちゃって」
[メイン] 茜(あかね) : いやなら離れるね。と海斗くんから離れようとする。
[メイン] 佐倉 海斗 : 「っ…………」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「……いや」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「……こうして、ほしい……」
[メイン]
佐倉 海斗 :
顔を赤くしながらも、その腕にしがみついたまま。
海斗は、ただ不安だった。だからこそ、彼女の暖かさが染みたのだろう。
[メイン]
茜(あかね) :
「…うん」
その言葉に応えるように、少しだけ抱きしめる力を強くして
[メイン] 茜(あかね) : 外から聞こえる軽やかなメロディーに合わせるように、コポリコポリと、黙っていても2人の口からは泡沫が漏れる。
[メイン]
茜(あかね) :
トキさんが病室から出てくるまで、そんな時間が続いていた。
それはほんの数分だったけど、私たちにはそれ以上だったように思えた。
[メイン]
茜(あかね) :
ちょっとだけでも海斗くんの不安を取り除けただろうか?
そうだといいな…。
[メイン] 茜(あかね) :
[メイン] 茜(あかね) :
[メイン]
トキ :
「話は終わったか?」
まるでタイミングを見計らかったのようにトキが姿を現す。
[メイン]
茜(あかね) :
「…!」
声のした方に顔を向けると、そこにはトキさんの姿が
[メイン]
茜(あかね) :
海斗くんに目配せしてから
「うん。こっちは大丈夫!」
ささっと海斗くんから離れて
「トキさんの方はどうだった?」
[メイン] 佐倉 海斗 : あ、ああ……!と頷き返し、茜に目線を返しながらも。
[メイン]
トキ :
「興味深いものが見つかったな。まずはこのカードだ」
二人の様子を気にすることもなくポッケから出したカードを二人に見せる。
[メイン]
茜(あかね) :
「カード…?何か書いてあるけど?」
トキさんが差し出したカードをじっと見て
[メイン] 佐倉 海斗 : ふむふむ?とそのカードを目にするが、理解できないのか頭から煙が出ている。
[メイン]
茜(あかね) :
海斗くんの様子をほほ笑ましく思いつつ
「数式?みたいだけど、なんだろうねこれ」
[メイン] トキ : 「数式か……世紀末には必要のないものだ」
[メイン] 茜(あかね) : 「……」(お医者様なのにそれでいいのかな…)
[メイン]
トキ :
「まあ、それとこれは……」
海斗の方をチラリと見る
[メイン]
トキ :
「おれが新たに発見した秘孔の秘密を記したものだ。茜だけが読むといいだろう」
そう言ってノートを茜に手渡す。
[メイン] 佐倉 海斗 : 「…………!」
[メイン]
佐倉 海斗 :
そのノートをちらりと見て、眉を顰めるが。
しかし何も言わず、座ったままだった。
[メイン]
茜(あかね) :
「秘孔の秘密って言われても私にわかるかどうか…」
ノートを受け取る際に、海斗くんの表情が曇ったのが見えた。
[メイン]
茜(あかね) :
「……」
トキさんが私だけで読めって言ったけど…もしかして…。
[メイン] 茜(あかね) : 言われたとおり自分だけでノートの内容に目を通して
[メイン] 茜(あかね) :
[メイン] 茜(あかね) : 読んでいるうちに悲しい気持ちになっていく。
[メイン]
茜(あかね) :
「トキさん、これって…」
ノートと海斗くんの方を交互に見ながら
[メイン]
トキ :
「ああ……紛れもなく新たな秘孔だ。これでおれの北斗神拳はより高みへいける」
あえて海斗の方を無視して。
[メイン] トキ : 「この秘孔を知ってどうするかはお前次第だ、茜……」
[メイン]
茜(あかね) :
「えっ…?」
私次第って、そんなこと言われても…。
[メイン]
茜(あかね) :
海斗くんの方をちらりと見て
…病室に入るのだけであんなに怖がってたのに、この日記の内容を教えてもいいんだろうか?
日記に書かれている彼と、いま私の目の前にいる彼とでは違って見えるけど、それでも…。
[メイン] トキ : 「ちなみに病室なのにアルコールはなかったな。しょせんは遊園地の見せかけだけの病室よ」
[メイン] トキ : 「まあ、いい。ではせっかくだし2階の方も見て回ろうじゃないか。行くぞカイト」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「んっ……わかった」
[メイン]
佐倉 海斗 :
二人の話を聞かないようにしながら座っていた。
だが、その声にゆっくりと立ち上がり。
[メイン]
トキ :
「よし、では行くぞ。茜もこの間にこれからどうしたいのかを良く考えておくのだな」
そう言ってカイトの手を取り2階へと歩き出す。
[メイン]
佐倉 海斗 :
「おわわっ……!?ご、強引なっ……!?」
とは言いつつも、素直にトキに引っ張られていく。
[メイン] 佐倉 海斗 : 彼自身も迷っているようなそぶりで、だからこそ手を引っ張るトキに助けられている面もあるのだろう。
[メイン]
茜(あかね) :
「…うん」
トキさんにこくりと頷いて、置いて行かれないように空いている方の海斗くんの手を取って、並んで歩き出す。
[メイン]
GM :
中央階段を上がると、二階の狭いスペースには大きな窓があり、その窓を挟んで両側に二枚ずつ絵画が飾られている。
[メイン] GM : 絵画にはそれぞれタイトルが付けられていた。
[メイン]
GM :
『闇を彷徨う者』
『這いよる混沌』
『膨れ女』
『無貌の神』
[メイン] GM : どれもおぞましく描写されており、見ただけで気が狂いそうになる。
[メイン]
GM :
また、その絵画に向かって人形たちがひしめくように置かれている。床、壁、天井。
ありとあらゆる場所に埋め尽くされたそれは、まるで神をも祀っているようだった。
[メイン] GM : 人智を超えた、美しくもありうべからざる絵画数点を目視した幸運なあなたたちは正気度喪失《1D3/1D6》
[メイン] GM : そしてクトゥルフ神話技能+2%
[メイン] 茜(あかね) : 1D100<=54 正気度ロール (1D100<=54) > 64 > 失敗
[メイン] トキ : CCB<=38 (1D100<=38) > 88 > 失敗
[メイン] 茜(あかね) : 1d6 (1D6) > 3
[メイン] トキ : 1d6 (1D6) > 1
[メイン] system : [ トキ ] SAN : 38 → 37
[メイン] system : [ 茜(あかね) ] SAN : 54 → 51
[メイン]
茜(あかね) :
なに…この絵…。
おぞましさに顔が青白くなっていく。
[メイン] 佐倉 海斗 : 「…………ぅ、っ……!?」
[メイン]
佐倉 海斗 :
あまりの光景に、海斗の口が強ばる。
彼もこんな光景は見た事がないようだった。
[メイン]
トキ :
一瞬絵画のおどろどろしい雰囲気に意識を奪われそうになりつつも
「芸術か……こんなもの世紀末ではケツを拭く紙にもなりはしない」
[メイン]
茜(あかね) :
「だ、大丈夫?」
海斗くんの声にはっとなる。
自分のことよりも彼の方が気になり、そちらに顔を向けて
[メイン] トキ : 「……何か思い出したか?」
[メイン]
佐倉 海斗 :
「……いや、あんまりな絵だったから……気持ち悪くなっただけだ
気にしなくて、ヘーキだよ」
[メイン] 佐倉 海斗 : にっ、と青い顔で笑いかえしつつも。
[メイン]
茜(あかね) :
「…それなら、いいんだけど」
病室の件や日記のことが気になって、彼に対して少し神経質になってるのかもしれない。
[メイン] トキ : 「確かに悪趣味な絵ではある……」
[メイン]
茜(あかね) :
そんな考えを払拭するように首を左右に振って
私がしっかりしないでどうするの!逆に心配かけちゃうでしょ!
[メイン]
茜(あかね) :
「うん。どれもこれも、なんだかこわいよね」
並ぶ絵を眺めながら
[メイン]
佐倉 海斗 :
「……。
ふっ、ははっ……!……励ましてくれてるのか?
……ありがとな」
[メイン] 佐倉 海斗 : あなたたちには青い顔が、少しだけ明るくなったように見えるかもしれない。
[メイン]
佐倉 海斗 :
「……まぁでも、ここに居ても気持ち悪そうなだけだ
出るのがいいのかもな」
[メイン] 茜(あかね) : 海斗くんの表情が明るくなったことで、ちょっとだけ自分の心も軽くなったような気がした。
[メイン] 茜(あかね) : 「そうだね…。トキさんはなにか気になるものとかある?」
[メイン] トキ : 「そうだな……」床を犇く人形の山を眺めまわして「特に何もないな。カイトの言うとおりさっさと出てった方が良いだろう」
[メイン] 茜(あかね) : 「わかったわ。それじゃ、次の施設に行こうか」
[メイン] トキ : そう言って三人は外へ出る。
[メイン] トキ : 「まあ大体見て回ったが、まだ他に何かありそうなのは立ち入り禁止ゾーンぐらいか……」
[メイン] 茜(あかね) : 「そうだね。海斗くんの案内だと、メリーゴーランドやワゴン車は普通の施設みたいだし」
[メイン] トキ : 「ああ……それで茜、お前はどうしたい?」
[メイン] トキ : 「おれは何としてもここから出ていくつもりだ。たとえ何を天秤にかけようとな」
[メイン]
茜(あかね) :
「どうしたいって、そんなの決まってるじゃない。私も───」
そこまで言って言葉につまる。
[メイン] 茜(あかね) : 『帰るつもりよ』と言おうと思ったのに、いまははっきりとそう言えずにいた。
[メイン]
茜(あかね) :
一緒に遊ぼうって約束をした友人の顔が頭をよぎる。
だけど…いまは私が手を繋ぐ先、海斗くんのことも気になっていた。
[メイン] トキ : 「色々悩む部分はあるだろう……それにあの立ち入り禁止ゾーンは……」
[メイン]
トキ :
少しためらいつつも
「先ほど観覧車からチラリと見えたが正直マトモな場所ではない。覚悟がないなら無理はせぬことだ」
[メイン] 茜(あかね) : 「……そんな場所にトキさんは行くの?」
[メイン] トキ : 「ああ、おれは医者として、北斗神拳の伝承者として、ここから出て多くの人間を救わねばならぬ」
[メイン] トキ : 「だから、いつまでもここに留まっているわけにはいかぬのだ!」
[メイン] 茜(あかね) : 「………」
[メイン] トキ : トキのその言葉には重い宿命を背負った男の決意が込められていた
[メイン]
茜(あかね) :
出て行きたい気持ちと、ここに留まりたい気持ち。
出て行くために危険な場所に足を踏み込もうとしているトキさんをひとりで行かせたくない気持ちもある。
[メイン] 茜(あかね) : 私はどうしたらいいんだろうか…。
[メイン] トキ : 「答えは出せぬか……カイトよ。お前はどうなんだ?」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「…………」
[メイン] 佐倉 海斗 : 先程まで考え込んでいたのか静かだった海斗は、ゆっくりと顔を上げる。
[メイン]
佐倉 海斗 :
「……ここで遊んでるのも悪くない
アップルパイはおいしいし、魚のみんなは面白いし、アトラクションも楽しいって思ってた」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「でも、それは前までの話だ」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「あんたたちの話を聞いて今は……俺の記憶に興味がある」
[メイン]
佐倉 海斗 :
「俺が誰なのか、俺が会いたい人はいるのか、とか
そういうの全部ひっくるめて知るには、あそこしか……ない」
[メイン]
佐倉 海斗 :
「それに、あんたたちが帰る方法もわかんないままだしな!
俺は、行くよ」
[メイン] 佐倉 海斗 : 少し怯えるような顔はしつつも、それでも瞳には決意が宿っていた。
[メイン]
トキ :
「よかろう」
カイトの返事を聞き小さく頷いた後、答えを促すように茜を見る
[メイン]
茜(あかね) :
2人の顔をそれぞれ見て
「それなら…私が行かない!ってワガママ言うわけにはいかないじゃん」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「……へへ、茜さんも優しいよな」
[メイン] 佐倉 海斗 : その答えににっ、と笑いながら。
[メイン] トキ : 「カイト……お前もまた強き男だ」
[メイン]
茜(あかね) :
「………」
優しいのは2人の方でしょ。
…私が答えを出せないから、危険な場所かもしれないの行こうって言ってくれて…。
[メイン]
佐倉 海斗 :
「へっ……お、俺も!?
……そ、そうなのかな……あっ、ありがとよっ!」
[メイン] 佐倉 海斗 : 自分も褒められるとは思わなかったのか、目を丸くして、そして気恥ずかしそうに笑いながら。
[メイン] トキ : 「よし、では向かうぞ。この遊園地の最後の秘密、立ち入り禁止ゾーンへ!」
[メイン]
茜(あかね) :
「あっ、その前に…」
懐から海斗くんの日記を取り出す。
[メイン] トキ : 「…………」
[メイン]
茜(あかね) :
「これ、トキさんが秘孔を記してるから、結構衝撃的な内容になってるんだけど」
「…海斗くんが、本当に自分のことを知りたいのなら、読んでね」
そう言って日記を海斗くんに差し出す。
[メイン] 佐倉 海斗 : 「…………」
[メイン]
佐倉 海斗 :
ごくり、と息をのみそのノートを受け取ろうとする。
しかし、そのノートを支える手は震えており。
[メイン]
佐倉 海斗 :
「……これが、俺の……
……………」
[メイン] 佐倉 海斗 : しばし考えるように、唸りながらも。
[メイン]
佐倉 海斗 :
「……ううん。やっぱり、この本は……最後の最後に読ませてくれないか?
もし俺が思い出して何か言いだしたら、あんたたちにも迷惑が掛かっちまうからさ」
[メイン] 佐倉 海斗 : ぎゅっと、そのノートを握り締めながら。
[メイン]
茜(あかね) :
「…わかったわ」
「でも、なにを言いだしても、海斗くんは海斗くんだから」
そう言って笑顔を向ける。
[メイン] トキ : 「激流を制するのは静水……あまり昂ぶるなよ……」
[メイン] 茜(あかね) : 「私たちも私たちのままだから、大丈夫。安心してね」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「……おう!」
[メイン] 佐倉 海斗 : 二人の言葉に安堵したように頷き、そう返しながらも。
[メイン]
GM :
三人は足を進めていくのだった。
それぞれの想いを抱えながら。
[メイン] GM : 遠目でわかることは立ち入り禁止ゾーンは大きなサンゴが群生していて林のようになっていることぐらいで、奥に何があるかは進んでみないとわからない。
[メイン]
GM :
近寄ると『立ち入り禁止』と書かれた立て札が立っているのがわかる。
そして立て札の付近では警備員のような帽子を被ったエイとうつぼがうろついている。
[メイン] GM : 二匹の腹は大きく膨らんでいるのがわかるだろう。
[メイン] 茜(あかね) : 「……警備員さんがいるみたいだね」
[メイン] トキ : 「まあ……とりあえず入ってみるか」
[メイン]
茜(あかね) :
「…入れるのかな?」
そう思いつつ近づいてみる。
[メイン] GM : あなた達が立ち入り禁止ゾーンに入ろうとするとエイとうつぼが立ちふさがる。
[メイン] GM : 「ダメです! ダメです!」「こっから先は立ち入り禁止!!」
[メイン] GM : と、進路を阻んでくる。
[メイン] トキ : 「わっはは!! ばかめ 凡人がおれに勝てるかーっ!!」
[メイン]
茜(あかね) :
「…ちょっ!ま、待って!仕事の邪魔しちゃダメって書いてあったでしょ!?」
いまにも飛びかかろうとしているトキさんにそう告げようとするも
[メイン] トキ : CCB<=60 北斗神拳 (1D100<=60) > 29 > 成功
[メイン] 佐倉 海斗 : トキの様子に目を丸くして驚いている。
[メイン] トキ : 秘孔を突いて軽く寝かせます。
[メイン] GM : 「あべし」
[メイン] GM : 「たわば」
[メイン] GM : 2匹は不意を突かれそのまま気絶した。
[メイン] トキ : 「せめて痛みを知らず安らかに眠るがよい」
[メイン]
佐倉 海斗 :
「……おぉお……まあ、結局通らなきゃいけないわけだし……
仕方なかった、のかな……?」
[メイン]
トキ :
「ふむ突然眠ってしまったな。余程疲れていたのだろう」
何事もなかったように
[メイン] 茜(あかね) : (ああっ!?止められなかった…!?)
[メイン] 茜(あかね) : ごめんなさい!ごめんなさい!と聞こえてないであろう警備員さん達に平謝りして
[メイン]
GM :
気絶した魚たちは動かず倒れこんでいた。
だが、逆に言えばあなた達を阻む者はここにはいないという意味でもある。
[メイン] トキ : 「よし、では進むぞ」
[メイン] GM : では《ナビゲート》か《幸運》-20どうぞ
[メイン] トキ : CCB<=20 幸運 (1D100<=20) > 87 > 失敗
[メイン] 茜(あかね) : CCB<=55-20 幸運 (1D100<=35) > 10 > 成功
[メイン] GM : あなた達は何事もなく先へと進むことができた。
[メイン] GM : 群生しているサンゴを避けながら探索者たちが進んでいくと、銀色の建物が見えてくる。
[メイン] GM : それと同時に、人間の手や足。上半身や頭部など、人間のパーツが地面から生えているのが目に飛び込んでくるだろう。
[メイン] GM : またトキは気づくだろう。観覧車で見た悪趣味な手たちは、これらなのだと。
[メイン]
茜(あかね) :
「あっ、あれって…もしかして、人の…」
珊瑚に紛れてところどころに生える人体のパーツが目に入り、進む足を止めてしまう。
[メイン] トキ : 「……」(意味深に無言)
[メイン]
茜(あかね) :
トキさんはお医者様だから見慣れてるみたいだけど、海斗くんは…?
そう思ってちらりと海斗くんの方を見る。
[メイン] 佐倉 海斗 : 「……っ、は、早く行こうぜ……!」
[メイン]
佐倉 海斗 :
海斗も見慣れていないのだろう。
冷や汗をかきながらずんずんと進んでいく。
[メイン]
GM :
そして、建物の正面には大きなゲートのようなものがある。
周囲を見渡した感じではここが出入り口だと思うだろう。
[メイン]
GM :
ゲートの横にはカードリーダーがあり、どうやら専用のカードがないとこのゲートは開けられないようだ。
[メイン]
トキ :
「……多分これが鍵だろうな」
ポッケから病室で手に入れたカードを出して通してみる
[メイン] 茜(あかね) : 黙ってその様子を見守る。
[メイン] GM : カードをスキャンさせると、扉が自動で開く。
[メイン]
GM :
探索者の目に飛び込んできたのは異質な光景だった。
部屋の左右には円筒状のケースが所狭しと並べられており、それらはモニターや見たことのない機械に繋がれていた。
[メイン] GM : 前方には扉が三つあるのが確認できる。
[メイン] トキ : 「……こーゆーの世紀末にはなかったですね」
[メイン]
GM :
だが、それだけが異質たらしめているのではない。
その研究室のような部屋に一際目を引く”もの”があった。
[メイン] GM : 薄赤色の甲殻類のような生物だ。
[メイン] GM : その生き物は渦巻き状の楕円形の頭を持ち、そこにはアンテナのような突起物がいくつか生えている。
[メイン] GM : 鉤爪のついた手足を多数持ち、背中には一対のコウモリのような翼が生えていた。
[メイン] GM : 薄気味悪い未知の生物に遭遇したあなた達は正気度喪失《0/1D6》
[メイン] トキ : CCB<=37 (1D100<=37) > 7 > スペシャル
[メイン] トキ : 「世界が核の炎に包まれたので、こういう生き物は結構見ましたね」
[メイン] 茜(あかね) : 1D100<=51 正気度ロール (1D100<=51) > 1 > 成功
[メイン] トキ : !
[メイン]
茜(あかね) :
「…私は初めて見たけど」(核の炎ってなに?)
色々ありすぎて、もう目の前のおかしな生物を見てもあまり気にならない様子で
[メイン] 佐倉 海斗 : その生物を見て、海斗はぱくぱくと口を開いたり閉めたりしていた。
[メイン] GM : 眼の前の生物はあなた達を一瞥すると翼を振動させる。
[メイン]
GM :
おや、この惑星の支配種族のみなさん。
意識があるままここに来るなんて珍しいですね。
[メイン] GM : 何か御用でしょうか。要件は手短にお願いいたします。
[メイン] GM : と、脳内に直接語り掛けてくる。
[メイン] トキ : 「ほう……この蟹は喋るのか……」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「うおっ……!?頭の中に響く……!?」
[メイン] 茜(あかね) : 「…!?えっ!?なにこれぇ!?」
[メイン]
GM :
あなたたちの認識している甲殻類、その蟹ではありません。
我々の種族名"ミ=ゴ"と申します。
[メイン] トキ : 「おれはトキ。北斗神拳の伝承者だ」
[メイン]
茜(あかね) :
「ミ=ゴ…さん?」
「わ、私は茜っていいます」
トキさんが自己紹介をしたので釣られて
[メイン]
佐倉 海斗 :
「おっ、俺は……海斗だ!」
と他に合わせるように。
[メイン] GM : すると、ミゴと名乗った生物は羽を羽ばたかせて。
[メイン]
GM :
「あなた達は喉を震わせ聴覚で感じとっているのですね。
では我々もあなた達のような音を発することにしましょうか」
[メイン] GM : 「それで、あなた達はなんの御用がおありなのでしょうか?」
[メイン] トキ : 「そうだな……まずはここから出る方法を知りたいのだが」
[メイン] 茜(あかね) : トキさんの言葉に同意するように何度もうなずいて
[メイン]
GM :
「では、どこかに帰り道があるのでは?
ここの施設は好きに見てもらって構いません。
我々の実験の邪魔にならないのであれば、どうぞ」
[メイン] トキ : 「お前も知らないのか……ちなみに実験とは何をやっている?」
[メイン]
GM :
「この世界の研究、維持を任せられています
その成果は彼らでしょうね」
[メイン]
GM :
「あなた達も見てきたでしょう?
腹が脹れた海洋生物らのことを」
[メイン] トキ : 「ああ……卵でもはらんでると思ったが」
[メイン]
GM :
「あれは我々の研究分野である"人間"
それらの脳を取り出し、彼らに埋め込んでいます」
[メイン]
GM :
「それにより、人間並みの知能を持つことが出来ました
まだ不完全ではありますがね」
[メイン] トキ : 「ほう……なかなか大した科学力だ」
[メイン]
茜(あかね) :
にっ、人間の脳を取り出して移植って!?なっ、なにを言ってるの…!?
彼らの発言に背筋がゾッとなる。
[メイン]
トキ :
「さっき意識があるまま来るのは珍しいと言ってたが、意識のない人間というものも来るものなのか?」
トキはミ=ゴの行いに何の疑問を持ってないかのように話を続ける
[メイン] GM : 「それが彼らの元となった人間ですよ」
[メイン] GM : 「我々は意識のない人間を解剖し、この世界の従業員の役割を与えて送り出しています」
[メイン] トキ : 「ほう、意識のない人間を魚にするのか。まさか俺たちも魚の脳みそにする気か?」
[メイン] GM : 「なりたいのですか?」
[メイン] トキ : 「エラ呼吸では北斗神拳は使えそうにない。遠慮しておこう」
[メイン]
GM :
「ではそのように。
我々の主からも意識のある人間の処遇は決まっておりませんので」
[メイン] トキ : 「そうか。ではこの施設を見学させてもらうぞ。貴様らの研究についてもっと聞きたいが、まずはここから出る方法を探すのが先決だ」
[メイン] GM : 「我々の邪魔にならないのならお好きなようにどうぞ」
[メイン] トキ : 「では左の扉から見ていくとしよう。行くぞ二人とも」
[メイン]
茜(あかね) :
「…えっ、あっ、うん…」
慣れてはいたもののやっぱり状況に圧倒されてしまっていて
こんな状況でも冷静に対応できるトキさんはすごいなって…。
[メイン]
佐倉 海斗 :
「…………っ、あ、ああ……わかった
……よく話せたな……」
[メイン] 佐倉 海斗 : 呆気に取られているうちにトキが随分進めてくれた。
[メイン]
茜(あかね) :
「いっ、行こっか」
なるべくミ=ゴさんを見ないようにしつつ、海斗くんの手を取って扉の方へと
[メイン] 佐倉 海斗 : おそるおそるこくりと頷き、扉の方へと向かっていく。
[メイン] GM : 扉を開ければ、そこは一つの手術室のようだった。
[メイン]
GM :
では、誰が手術されているのか。
それは────。
[メイン] 佐倉 海斗 : 「────────」
[メイン]
GM :
佐倉海斗が、横たわっていた。
彼の体はあなた達が知っているものよりもやせ細っており、髪もまばらであった。
また、彼の頭にはなんらかの装置が取り付けられているのがわかるだろう。
[メイン] 佐倉 海斗 : ずるりと、彼の持っていたノートが落ちる。
[メイン]
トキ :
「これは……どういうことだ?」
二人の海斗を見比べる。
[メイン] 佐倉 海斗 : 「おっ、おれ、俺っ……は…………」
[メイン] トキ : 「……双子?」
[メイン]
茜(あかね) :
手術台に横たわる海斗くんと隣にいる海斗くんを見比べて、息を呑むも、彼が持つノートが落ちてバサリと音を立てたことでそちらに意識が向く。
そのまま落ちたノートを反射的に拾って
[メイン]
GM :
「おや、そこにいるのは人間ですか……珍しい。
それに……”佐倉海斗”ですね、あなたがここに来たのですか」
[メイン] GM : ミゴと名乗っていた生物と同じ特徴を持つ怪物は話出す。
[メイン]
GM :
「双子と問われれば、それは違うと答えましょう
今現在寝ている彼の脳は機能停止しています。
植物人間と呼べば差支えないでしょうか」
[メイン]
GM :
「そしてその脳は、そこにいる生命体”佐倉海斗”であるのです
そこで動く佐倉海斗は、意識だけの存在であると答えましょう」
[メイン]
佐倉 海斗 :
「……ッ、ぁ……そう、だ……俺は、おれ、ぼく……はっ……!
びょーきに掛かかって、病院に行って、でも……死んじゃうんじゃないか、って……くらい、痛くて……それで……」
[メイン]
佐倉 海斗 :
「……ヘンな人に会って、それで……
ぼくは、ここに……来た、んだ……」
[メイン]
佐倉 海斗 :
はぁ、はぁ、と息を荒げて、汗を流す。
額を抑えて苦しげに悶えている。
[メイン] トキ : 「…………」
[メイン] 茜(あかね) : 海斗くんになんと声をかければ良いのかわからなくて、ただ握る手の力を少しだけ強くして。
[メイン]
GM :
「人間の考えることなど見通しが付きます
帰還の呪文を唱えたいのであれば、真ん中の扉を潜ればよろしい
あなた達はあなた達の世界に戻れるでしょうから」
[メイン] GM : 「それでよろしいでしょうか?」
[メイン] トキ : 「…………(魔法陣使うんじゃなかったのか)」
[メイン] トキ : 「……ちなみに右の部屋には何がある?」
[メイン] GM : 「我々が実験に使用するための脳缶を詰めてあります」
[メイン] トキ : 「脳だけあっても身体がないなら俺の実験には使えんな」
[メイン] トキ : 「…………さて、おれの目的は達成できそうだが、茜。貴様はどうする?」
[メイン]
茜(あかね) :
「………」
トキさんの言葉を受けて、私の隣で震えている海斗くんの方に向き直って
[メイン]
茜(あかね) :
こんな状況で聞くべきじゃないかもしれないけど、こんなときだからこそ聞くべきだって思ってしまって
「…海斗くんはどうしたい?」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「…………俺は」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「……どうすれば…………いいんだ……?」
[メイン]
佐倉 海斗 :
茜に、そう返す。
目はふらふらと移ろっており、しっかりと定まっていない。
[メイン]
GM :
「ああ。その個体は戻れませんよ
何せ特殊な個体でありますし、その個体の脳は病に犯されていますから」
[メイン] トキ : 「ほう」
[メイン] 茜(あかね) : 背後のミ=ゴさんの方に視線を戻して
[メイン] 茜(あかね) : 「あなた達なら治せたりはしないんですか?海斗くんの病気を」
[メイン] トキ : 「ふん、俺の北斗神拳でも治せなかったのだ。こいつらには無理な相談だろう」
[メイン] GM : 「出来ますよ」
[メイン] トキ : 「強がりか?」
[メイン]
茜(あかね) :
「それが本当だとしたら…」
もう一度海斗くんの方に向き直って
[メイン]
茜(あかね) :
「彼らが本当に海斗くんの病気を治せるのなら、私たちと一緒に元の世界に戻ることもできると思う」
「それを踏まえて、海斗くんはどうしたい?」
できるだけ優しいトーンでそう問いかける。
[メイン] GM : 「出来ますが、するだけの理由がありませんね」
[メイン] トキ : 「ふははははは! しょせん口だけ達者な甲殻類よ!」
[メイン]
GM :
「人間の中には人の病や怪我を治すことの出来る役割を与えられた物がいるそうですね
あなた方の中では医者と呼ばれているそうですが」
[メイン] トキ : 「ああ、おれは医者だ」
[メイン] GM : 「彼らも治療を行うのならば、何かしら自分の利益になるようなことを行っているのでは?」
[メイン] トキ : 「確かにおれの医学は北斗神拳の進歩も兼ねているな……」
[メイン]
GM :
「では話が早いでしょう。
我々に医者の役割を求めるなら、それ相応に利のある行動をとりなさい」
[メイン] GM : 「例えばそうですね」
[メイン] GM : 「あなた方の脳は如何でしょう?」
[メイン] トキ : 「馬鹿め、この天才の脳をお前ら如きのために渡せるわけないだろう」
[メイン] トキ : 「『おれ』の脳はな」
[メイン] トキ : そう言ってから冷たく茜を見る
[メイン] 茜(あかね) : 海斗くんの言葉を待っていたが、トキさんの視線に気がついて
[メイン]
茜(あかね) :
「それしか方法がないなら…」
本当はいやだけど、でも、あの人ならこう答えるかもしれないと思って
[メイン] 茜(あかね) : でも…。
[メイン] 茜(あかね) : 「私の脳以外で、なにかあなた達に提供できるものがあるのなら…」
[メイン] GM : 「あなたの部位に価値を見いだせるのは一つ、脳です」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「…………っ」
[メイン] 佐倉 海斗 : 先程まで言葉を詰まらせていた海斗は、その言葉を聞いてくぐもる。
[メイン]
佐倉 海斗 :
「聞いただろっ……!!
俺が助かるためには、あんたの脳……が必要にッ、だってっ……!!
…………見ず知らずの俺に、助けるくらいの価値……あんたには……っ……!」
[メイン]
茜(あかね) :
首をゆっくりと左右に振って
「…見ず知らずじゃないわ。関わって、あなたのことを知ってしまったから、もう他人じゃないもの」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「…………っ……!」
[メイン]
茜(あかね) :
「それに、困ってる人がいたら優しくしてあげたいって、ついさっき話したばかりじゃない」
海斗くんを落ち着かせるように、できるだけ優しい表情をして
[メイン]
佐倉 海斗 :
「……う、っ…………そ、れ……はっ……
………………」
[メイン] 佐倉 海斗 : はぁ、はぁ、吐息を荒げていた海斗の息は、その声にゆっくりと落ち着かせられる。
[メイン]
茜(あかね) :
落ち着きを取り戻した海斗くんのそばによって
「…ふふっ、脳の提供は最終手段だから安心してね。それにね、ちょっと気になることがあるの」
そう耳打ちして
[メイン] トキ : 「茜よ、答えは出せたか?」
[メイン]
茜(あかね) :
「…まだよ。答えを出すにはまだ足りてない」
そういって手術台そばのミ=ゴさんの方に歩いて行く。
[メイン] GM : 「なにか質問でも?」
[メイン]
茜(あかね) :
「…はい。そうです、質問があって」
「どうしてそこまで脳に拘るんでしょうか?」
[メイン] GM : 「地球の支配種族である人間の脳は科学的に利用できる部品であるからです」
[メイン] GM : 「あなた方も哺乳類生物の鼠を実験として使用するでしょう?あれと違いません」
[メイン] トキ : 「ふん、しょせん甲殻類らしい浅はかさよ」
[メイン]
茜(あかね) :
「なるほど。仰るとおりです」
「私たちはその実験で、主に医療の研究をしているのですが、あなた達はどのような研究をしているのでしょうか?」
[メイン]
GM :
「医療はあくまで我々の研修の副産物でしかありません
我々は我々が成し得る科学を研究し続けるのみですが……」
[メイン]
GM :
「今我々が研究しているのは、人の意識化における精神世界の構築
及びその中での実験反応です」
[メイン] トキ : 「ほう、詳しく聞かせてみろ」
[メイン] 茜(あかね) : ふむふむ。だからこんな場所で実験を…。
[メイン]
GM :
「人は酸素を取り入れなければ生命活動を維持できないそうですね
ここでは酸素というものはありません」
[メイン] トキ : 「ガボゴボゴバボ」
[メイン]
GM :
「それはここが精神世界に他ならないからです
あなた方の意識だけがここに映されているのです」
[メイン] トキ : 「なるほど」
[メイン] 茜(あかね) : こぽり、と口から気泡が漏れて上へと登っていく。
[メイン] GM : 「精神世界下の酸素不足での窒息死を体験したいのならば行いましょうか?我々も興味があります」
[メイン] トキ : 「くくくくく、やはり甲殻類らしい浅はかな考えだ」
[メイン]
茜(あかね) :
…現実世界じゃなくて意識の世界。そこで行われている実験。
ひとり考えを巡らせる。
[メイン] トキ : CCB<=60 言いくるめ (1D100<=60) > 58 > 成功
[メイン] トキ : 「いいか、ミ=ゴよ。人間の脳だけ取り出してもわかることなど大してない」
[メイン] GM : 「はい」
[メイン] トキ :
[メイン] トキ : 「人間の脳と体は不可分。人間は己の潜在能力の30パーセントしか使えないが、肉体を伴うことで残りの70パーセントも使用するのが極意」
[メイン] トキ : 「つまり脳みそだけ取り出そうともお前らの実験など遅々として進まないままなのだ」
[メイン] GM : 「ではあなたは身体全てを我々に与えるということでしょうか?」
[メイン] トキ : 「馬鹿め、貴様らにそのような勿体ないことをできるか」
[メイン] トキ : 「だが、天才のおれが人間が持つ可能性を貴様らに見せてやろう!!」
[メイン] GM : 「ほう?」
[メイン] トキ : 「これが人間の脳と肉体が持つ可能性だ!」
[メイン] トキ : CCB<=60 北斗神拳 (1D100<=60) > 20 > 成功
[メイン] トキ : 茜の秘孔をぶすりと指す
[メイン] トキ : トキに秘孔を指された瞬間、茜の身体が突如軽快なステップを始める!!
[メイン] 茜(あかね) : 「えっ、なにを…!?って身体がかってにぃぃぃ~~~!?!?!?!?」
[メイン] トキ : さらに上半身まで激しく動かす! その動きはまさにダンサブル!
[メイン] 茜(あかね) : 自分の身体が自分の身体じゃないような動きを見せる。
[メイン] GM : 「?」
[メイン] GM : 「我々が見た事のない人間の動き、というのは理解できますが」
[メイン] トキ : 「この女は非常にどんくさい」
[メイン] トキ : 突然茜をDISり始めた
[メイン]
茜(あかね) :
(なっ!?)
カチンときた。
[メイン] トキ : 「なにせベンチから立とうとするぐらいで頭を打つ奴だ」
[メイン] 茜(あかね) : (た、たしかにそんなことがあったけどぉ)
[メイン] トキ : 「きっと本来ならこのように華麗なダンスを踊ることはできなかったはずだろう。それはわかるか?」
[メイン] GM : 「はぁ」
[メイン] トキ : 「だが、俺はこの女の身体の秘孔を突くことで、この女を華麗に踊らせることができる。これが人間の脳と体が持つ可能性だ!」
[メイン] トキ : 「人間は体を持つことで脳だけが持つ機能の限界を遥かに超えることができるのだ!」
[メイン] GM : 「なるほど」
[メイン] GM : 「つまりあなた方が我々に出せるのはその技術という事ですか?」
[メイン] トキ : 「お前は言ったな。『利のある行動をとりなさい』と」
[メイン] GM : 「はい」
[メイン] トキ : 「このまま踊り続ければ一時間もせずにこの女は死ぬだろう」
[メイン] 茜(あかね) : (は?)
[メイン] GM : 「はぁ」
[メイン] トキ : 「つまりこの女は命をかけて、人類の肉体と精神が持つ可能性を貴様らに教えた。利益としては充分ではないか?」
[メイン] GM : 「はぁ」
[メイン] GM : CCB<=99 北斗神拳 (1D100<=99) > 95 > 成功
[メイン] トキ : 「!!???」
[メイン]
GM :
ミゴは自らの鋏で器用に茜の体に触れる。
[メイン] GM : すると、彼女はピタリと止まった。
[メイン] 茜(あかね) : 「ふぎゃっ!?」
[メイン] GM : 「我々はこの程度の技術であればとうに理解しています」
[メイン] トキ : 「馬鹿な! 俺の北斗神拳が!!」
[メイン] GM : 「人間の限界が、人間に理解できるのでしょうか?」
[メイン]
GM :
「いいえ。
それは数多の実験を終えた我々こそが理解しているものです」
[メイン] トキ : 「うわらば」
[メイン]
GM :
「それがこの程度とはあなたは本当に」
[メイン] GM : 「天才なのですか?」
[メイン] トキ : 「ほざけ~~~!! だれもおれのことはわかっちゃいねぇんだ!!」
[メイン] GM : トキの言葉は無視して茜に向き直る。
[メイン] トキ : 君はトキの涙を見る
[メイン] 茜(あかね) : はぁ…はぁ…と荒い息を整えて、本来なら私の身体で遊ぶな!と怒鳴りたいところだけどぐっと堪える。
[メイン]
茜(あかね) :
でも、身体を動かしたことでふとした考えを思いついた。
『彼らは面白い事、楽しい事が大好き。』
そんなメモを観覧車内で見たことを
[メイン] 茜(あかね) : それがもし目の前のミ=ゴさんのことだとしたら…。
[メイン] 茜(あかね) : 「あの…。技術とは違うのですが、私にしかできないことがあって、それを見てもらってもいいでしょうか?」
[メイン] GM : 「先程の見世物よりつまらないものでなければ」
[メイン] 茜(あかね) : ウッ…そう言われると自信が…。
[メイン] 佐倉 海斗 : 「…………大丈夫、なのか?」
[メイン]
佐倉 海斗 :
茜の方を心配そうに見つめる。
自分にはそれくらいしか出来ない……ということも含めて、悔しげに。
[メイン]
トキ :
「わっはは!! ばかめ 凡人がおれに勝てるかーっ!!」
トキは自分のパフォーマンスに絶対的な自信を持っていた
[メイン]
茜(あかね) :
海斗くんには笑顔を、トキさんにはジト目を向けて
すぐにミ=ゴさんの方に向き直り
[メイン] GM : 羽根を振動させて茜の方へと体を向けている。
[メイン] 茜(あかね) : CCB<=75 芸術(折り紙) (1D100<=75) > 50 > 成功
[メイン]
茜(あかね) :
懐から取り出した折り紙で、手早く折り紙を折る。
それは精巧にできたクラゲの折り紙だ。
[メイン] GM : 「これは?」
[メイン]
トキ :
「フ…なかなかの折り紙だが無駄なあがきはせんことだ!!」
トキは負けず嫌いだった
[メイン] 茜(あかね) : (何でこの人は私の敵に回るような発言を…?)
[メイン] 茜(あかね) : 「えっと、これは折り紙といって、私が住む国に伝わる文化のひとつです」
[メイン] GM : ミゴは近づき、「手に取っても?」と尋ねてくる。
[メイン]
茜(あかね) :
「はい。どうぞ!」
両手に乗せて差し出す。
[メイン]
GM :
それに頷き、鋏で器用に破れないように持つ。
頭のような部分が蠢き、まるで興味深そうに見つめる。
[メイン] GM :
[メイン]
トキ :
「フッ……折り紙か……。そのぐらいの事おれにもできる!!」
トキは負けず嫌いだった
[メイン] GM : 「不都合で、生きるためになんの必要もなく、科学的な発展にも貢献しない」
[メイン] GM : 「そんなモノですが」
[メイン] GM : 「ですがこれは悪くありませんね」
[メイン] GM : ハサミで折り紙を持ち上げる。
[メイン]
GM :
「これはあなただからこそ成し得ることなのでしょう
非常に興味深い才能です」
[メイン]
トキ :
「フッ……折り紙か……。そのぐらいの事おれにもできる!!」
トキは負けず嫌いだった
[メイン] 茜(あかね) : 「…ありがとうございます。そう言ってもらって嬉しいです」
[メイン]
GM :
「これはあなたが身につけたものですか?
それとも他者との交流によって?」
[メイン]
茜(あかね) :
「はい。これは私の母様に教わったもので、私がひとり寂しくないように毎日のように折ってくれたんです」
「いつの間にか私も折り方を覚えて、こうやってすぐに作れるようになりました」
[メイン] GM : 「なるほど。」
[メイン] GM : 「いいでしょう、これを我々の"利"としてとっても構いません」
[メイン] GM : 「ただし」
[メイン] GM : 「我々とあなた方では、その技術のやり方が違うというのは理解いただけますよね?」
[メイン] GM : 「あなた方が我々にその技術を提出して頂けるのならば、交換に応じましょう」
[メイン] GM : 「もっとも」
[メイン] GM : 「あなたからその能力は失われてしまいますが」
[メイン] トキ : (……良かった。あと少しで北斗神拳を失うところだった)
[メイン]
茜(あかね) :
その言葉に、一瞬だけ躊躇するも
「構いません。それで海斗くんを助けてもらえるのなら」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「…………っ……!?」
[メイン]
佐倉 海斗 :
…………クソ、なんだよ……それ!!!
……ぼくは、茜に……貰われるばっかりじゃないか……!
[メイン] GM : 「わかりました」
[メイン]
GM :
「ご協力感謝します。
あなたにそれが宿るかわかりません。ご理解の程を頂けますね?」
[メイン] 茜(あかね) : 「はい。むしろこちら側のワガママを聞いてもらってありがたい限りです」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「────待ってくれ!!」
[メイン] トキ : 「ん?」
[メイン] 佐倉 海斗 : わなわなと、声を振り絞って茜とミゴを見すえる。
[メイン]
茜(あかね) :
「えっ?」
海斗くんの方に顔を向けて
[メイン]
佐倉 海斗 :
「……俺が持ってる、海とか、遊園地とか、子どもの頃の楽しかった思い出
あれをお前らの利に……ならないのか?」
[メイン]
GM :
「まぁ、折り紙という技術に比べれば微々たるものですが
構いませんよ」
[メイン]
佐倉 海斗 :
その声を聞き、安堵のため息を零しながらも。
茜に、にっ、と笑い返し。
[メイン]
佐倉 海斗 :
「……なら、その代わり……茜さんが、また折り紙を折れるように
あの人の大切な思い出を、少しでも……残してやってくれないか」
[メイン] 佐倉 海斗 : そのまま、海斗はミゴに向かって頭を下げる。
[メイン]
茜(あかね) :
「だっ、ダメよ、そんなの!あなたの大切な思い出じゃない!?」
海斗の笑顔とは逆にむっとした表情で
[メイン] 茜(あかね) : 日記を取り出して、学校に行きたいとか、海を見てみたいと書いてあるページを開く。
[メイン]
佐倉 海斗 :
「……俺のことなのに、茜さんにばっかり貰ってちゃ、悪いよ
それに、こんなのじゃ足りないけどっ……!」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「……でも、俺も……茜さんにお返ししたいんだ!!」
[メイン] 佐倉 海斗 : 見つめ返して、茜の手を強く握る。
[メイン] 佐倉 海斗 : 「……ここで助けて貰った恩も、絶対……必ず返す」
[メイン] 茜(あかね) : 「きっ、気持ちは嬉しいけど!でも、私と違ってあなたはまだ子供で、大切な思い出を失うのなんて私は見てられない…!」
[メイン]
茜(あかね) :
「恩とかそんな風に感じなくていいの!私がやりたいってだけなんだから…!」
自分も海斗くんと繋いでいる手の力を強くしてそう訴える。
[メイン] トキ : 「茜……男の心を無駄にしてはならぬ!!」
[メイン]
茜(あかね) :
「…!」
じろっとトキの方を見て
[メイン] 茜(あかね) : 「でも…でも…それじゃ…」
[メイン] 茜(あかね) : 病気は治っても、心が…。
[メイン] 佐倉 海斗 : 「……じゃあ、また……助けてもらうことになるけど」
[メイン]
佐倉 海斗 :
「……その。……俺が空っぽになった分
茜さんで……埋めてくれないか」
[メイン]
佐倉 海斗 :
……顔を薄らと赤くして、そう答えるも。
瞳は真っ直ぐ茜の方へと目を向けていた。
[メイン] 茜(あかね) : 「……!」
[メイン] 茜(あかね) : 「…わかったわ。私のワガママなら、最後まで私が責任を持たないといけないよね」
[メイン]
トキ :
「……」
無言でうなずく
[メイン]
茜(あかね) :
「…でも、まずは海斗くんがちゃんと健康な身体になってから!」
「…約束してくれる?」
海の色を映すような海斗くんの碧の瞳を見つめて
[メイン] 佐倉 海斗 : 「……う、っ……は、はいっ……!」
[メイン] 佐倉 海斗 : こくこく、と頷く。
[メイン] 茜(あかね) : その返事に安堵したように笑顔になって
[メイン]
佐倉 海斗 :
向けられたその瞳、その目線は同じくらい。
だというのに……彼女の紫の瞳には、逆うことが出来ず。
[メイン]
茜(あかね) :
「それではお願いします」
ミ=ゴさんの方に向き直って頭を下げる。
[メイン] GM : 「わかりました」
[メイン] GM : 「では我々があなた方の技術と記憶を摘出した後、地球へと返却させていただきます」
[メイン] GM : 「他の方はお好きなようにしてください」
[メイン] トキ : 他の方(1名)
[メイン] トキ : 「ふむ……では俺は真ん中の扉から帰るとしよう」
[メイン] 茜(あかね) : 「…トキさん。一応どこに帰されたか聞いて、ちゃんと確認が取れてから帰還してもらえると助かるかなって」
[メイン] 茜(あかね) : 自分でやる!と言ったくせに少し不安だったので
[メイン] トキ : 「ふん……ならばおれはお前らの帰還を見届けてから帰るとしよう」
[メイン]
茜(あかね) :
「ありがとう!助かるわ」
ペコッとお辞儀をして感謝を述べる。
[メイン]
トキ :
「ふ……ここに来て少しは強くなったようだな……」
慈しむような目で
[メイン]
佐倉 海斗 :
「はははは……」
苦笑いをしながらも。
[メイン]
トキ :
「カイト……」
カイトの方を向き直り
[メイン]
トキ :
「身体をいとえよ……」
その目は優しかった。
[メイン]
佐倉 海斗 :
「あ……ありがとう……
まぁ、何だかんだトキさんと過ごした時間も楽しかったよ
……出られたら、また会えるといいな」
[メイン] 佐倉 海斗 : 恥ずかしそうに照れ笑いしながらも。
[メイン] トキ : 「うむ」
[メイン]
GM :
「あなた方が準備が出来たならその扉を出てください
あとは私におまかせしていただければ、手術を行いましょう」
[メイン] GM : 茜と海斗にそれぞれ向きながら。
[メイン]
茜(あかね) :
それじゃ、トキさんあとはお願い!と声をかけたあと、海斗くんの方に向き直って
「…準備はいい?」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「…………」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「……ああ!」
[メイン]
佐倉 海斗 :
ずっと引っ張られてばかりだった手。
その手を茜に伸ばして、強く握りしめる。
[メイン]
茜(あかね) :
「あっ…ひゃっ!?」
自分がやろうと手を伸ばしたら先につかまれて動揺してしまう。
[メイン]
茜(あかね) :
「…行こっか」
コホンと呼吸をただして。
それと同時に口から漏れた気泡が上へと登っていく。
[メイン] 佐倉 海斗 : 「……う、い、いつもやってたじゃん!」
[メイン] 佐倉 海斗 : 動揺した素振りに、こちらも恥ずかしくなり顔を赤らめながらも。
[メイン] 佐倉 海斗 : 「……うん」
[メイン] 佐倉 海斗 : こくり、と頷く。
[メイン] 佐倉 海斗 : そして海斗の手は片方の扉に掛けられる。
[メイン] 茜(あかね) : もう片方の扉に手をかけて
[メイン]
佐倉 海斗 :
この手を押してしまえば、今までの楽しかった思い出はなくなる……
……でも、その分……埋められるんだ。……茜さんと……一緒に……。
[メイン] 佐倉 海斗 : 「……それじゃあ」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「いっせー……」
[メイン] 茜(あかね) : 「──のっ!」
[メイン] 茜(あかね) : ふたりで呼吸を合わせて扉を開いた。
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM : 気がつくとトキは雑踏の中に立っていた。
[メイン] GM : 数分ぼんやりと立ち止まっていたようで、横を通り過ぎる人々は怪訝そうにあなたを見て、過ぎ去って行く。
[メイン] GM : 元の場所に帰ってきたのだという安堵を感じるかもしれない。
[メイン] トキ : 「天才のおれがあんな屈辱を味わうとはな……つまらぬ夢だ」
[メイン] GM : それと同時に。
[メイン] トキ : 「ん?」
[メイン] GM : 「天才にしてはそれなりに楽しませてもらいました」
[メイン] GM : という声が背後から聞こえた。
[メイン] GM : 振り返っても声をかけたであろう人物はすでに姿を消していた。
[メイン] トキ : 「え!? えひゃい」
[メイン]
トキ :
振り返るがそこには誰の姿もなかった
「……しょせんハッタリよ」
[メイン] トキ : 「そもそも俺が遊園地に行くことなど馬鹿馬鹿しい。死すならば戦いの荒野!」
[メイン] トキ : そう言い残すとトキの姿は雑踏の中に溶けていった……。
[メイン] トキ :
[メイン] トキ :
[メイン] トキ :
[メイン] GM : 「────先生っ……!!海斗くんがっ、海斗くんがっ……!!!」
[メイン]
GM :
真っ白な病室の中、慌てた様子の看護婦が医師を呼ぶ。
昨晩、容体が急変した────はずの少年。
[メイン] GM : その彼が、自分の足で立ち上がっていたのだ。
[メイン] GM : いつ呼吸が止まってもおかしくない状態のはずだった。
[メイン]
GM :
神経膠腫────グリオーマの重篤患者。
そのはずだった。
[メイン] GM : 点滴を自分で外し、はっきりとした意識をもって、自らの足でICUの床を踏みしめているのだ。
[メイン] GM : 駆け付けた医者は、その容体を見て言葉を零す。
[メイン] GM : 「……これは、奇跡だ……」
[メイン]
GM :
口を閉ざしていた少年は、その言葉が聞こえて。
ぴくりと体を動かす。
[メイン] GM : 「………じゃ」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「奇跡なんかじゃ、ない……!!!」
[メイン]
佐倉 海斗 :
そうだ、これは……奇跡じゃない。
俺を助けてくれた、誰かがいるんだ。……誰なのかは、思い出せない。
でも…………その人に、会わなきゃいけない。
[メイン] 佐倉 海斗 : 少年は、走り出す。
[メイン]
佐倉 海斗 :
医者と看護婦の静止も振り切り、ただひたすらに走る。
あてもない、だが────。
[メイン] 佐倉 海斗 : 「…………はぁっ、はぁっ……」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「……………………」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「……あな、たは……」
[メイン]
佐倉 海斗 :
じっと、自分くらいの身長の女の子を見つめる。
髪は黒い色のストレート。分け目で、和風の服を着ている────
[メイン]
佐倉 海斗 :
紫の瞳を持つ、少女に。
鶴のように綺麗で、しなやかな人だった。
[メイン]
茜(あかね) :
自分を見つめる視線に気がついてそちらに視線を移す。
手元には不格好な千羽鶴を抱えていて
[メイン] 茜(あかね) :
[メイン] 茜(あかね) : 一瞬だけ驚いた顔を見せるも、すぐに笑顔に変わって
[メイン] 茜(あかね) : 「おかえりなさい。海斗くん」
[メイン] 茜(あかね) : そう言って、彼に千羽鶴を手渡そうとして
[メイン] 佐倉 海斗 : 「────」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「……はははっ、ほんと……」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「……ほんと……優しくて、いっぱい……貰ってばっかりだ……」
[メイン] 佐倉 海斗 : 震える手で、千羽鶴を受け取る。
[メイン]
佐倉 海斗 :
「……っ、く……う、うぅっ、うぁっ……
……ううぅ…………!!!」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「……ただい゛まっ……!!!あ゛がねっ、ざんっ……!!!」
[メイン]
佐倉 海斗 :
ぼろぼろと大粒の涙を零して、海斗は膝から崩れながらも。
その千羽鶴をしっかりと受け取る。
[メイン] 茜(あかね) : 「………」
[メイン] 茜(あかね) : そのままゆっくりと海斗くんに近づいて、彼の頭を抱えるように優しく抱きしめる。
[メイン]
茜(あかね) :
ポンポンと、彼の背中を優しくさすって
「大丈夫だよ、もう大丈夫だから…」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「……っ、くっ……う、ううぅ……」
[メイン]
佐倉 海斗 :
「……おれ、俺っ……!
……いいだいことはだぐさんっ、ある……けどっ」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「……ありがと゛、っ……!」
[メイン] 佐倉 海斗 : それを言ったっきり、海斗はわんわんと泣き叫ぶばかりだった。
[メイン]
茜(あかね) :
抱き合っていると、彼が次第に落ち着いていくのがわかる。
私の心音もトクントクンと軽やかな音楽のように正常なリズムを奏で始める。
[メイン]
茜(あかね) :
「落ち着いた?…これ、もし良かったらなんだけど」
そう言って水族館が併設してある遊園地のチケットを取りだして
[メイン] 茜(あかね) : 「トキさんがくれたんだ。お前たちで行ってくるといいって」
[メイン]
茜(あかね) :
「それで…約束、覚えてるかな?私が海斗くんを埋めて上げるって」
少しだけ照れくさそうにそう言って
[メイン]
佐倉 海斗 :
「え……あっ、も、もちろんっ……!
……僕が……その、そう言ったんだよね」
[メイン]
佐倉 海斗 :
茜の顔に合わせるように照れくさそうに。
[メイン] 佐倉 海斗 : 「……それじゃあ、そのチケットは……」
[メイン]
茜(あかね) :
こくりと頷いて
「…海斗くんが覚えてなくても、私やトキさんは覚えてるから」
「海斗くんがやりたかったこと、思い出作り、これからいっぱいやろうね!」
[メイン] 佐倉 海斗 : 「…………!」
[メイン]
佐倉 海斗 :
顔をゆっくりと上げる。
涙と鼻水まみれの顔でも、茜の顔は瞳に映っていた。
[メイン] 佐倉 海斗 : 「…………うんっ……!!!」
[メイン] 佐倉 海斗 : なんども、なんども……頷く。
[メイン]
茜(あかね) :
そのうなずきに同意するように自分もうなずく。
「…うん?」
その時、ふと、目の前をなにかが通り過ぎたような気がしてそちらの方を向いて
[メイン] 茜(あかね) : 病院の外で小さな子供がシャボン玉を吹いていた。
[メイン] 茜(あかね) : その泡は、あの場所で見たものとそっくりで、上へ上へと登っていく様子を、私たちは静かに眺めていました。
[メイン] 佐倉 海斗 :
[メイン] 佐倉 海斗 :
[メイン] 佐倉 海斗 :
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM : 『グリオーマアクアリウム』
[メイン] GM : 帰還成功
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[雑談] system : [ 茜(あかね) ] SAN : 51 → 63